保育園は、保護者が就労や何らかの理由で保育ができない場合に子どもを預かる施設です。児童福祉法においては、0歳から6歳までの子どもを対象としています。ただし、保育園によって預け入れ可能な年齢が異なります。
0歳児は、ほとんど寝て過ごしている子どもから、ハイハイやつかまり立ちができる子どもまで、月齢によってさまざまです。ミルクや離乳食のような食事や、着替えや排泄のお世話が中心の仕事です。また、身体の動かし方を覚えるため、子どもの発達度合いに応じて一緒に遊ぶこともあります。
1歳児でも、月齢によって差はありますが、運動機能が発達して少しずつ立って歩けるようになってくるため、お散歩や遊びの時間が増えてきます。しかし、まだ同年代の子どもたち同士で遊べるわけではないので、保育士が間に入って、友達とのかかわり方を教えてあげます。
2歳児になると、徐々に言葉でのコミュニケーションが取れるようになることが増えてきます。また、食事や排泄、着替えなども、手伝ってあげれば自分でやろうとします。しかし、まだ子どもたち同士で遊ぶのは難しく、トラブルが生じることもあります。
3歳児以上になると、集団の活動や自由遊びの時間が増えてきます。子ども同士での遊びも上手になります。また、身の周りのことも自分でできるようになります。保育士は見守りながらサポートします。
保育士の活躍できる場所は、保育園以外にもたくさんあります。保育ママ、ベビーシッター、商業施設内保育ルーム、乳児院、児童養護施設、障がい者施設などを例として、その特徴を紹介します。
保育ママ
保育ママとは、保護者が就労や何らかの理由で保育ができず、そのうえ保育所に入所できない3歳未満の子どもを預かる施設または保育者を指します。
各自治体によって実施の有無や必要な資格・条件などは異なりますが、国や市区町村から認定されれば、保育ママの自宅で子どもを預かることができます。1人の保育ママが預かることができる子どもの人数はおおむね3人までとなっているため、一般的な保育園よりも少人数のきめ細やかな保育ができるのが特徴です。
ベビーシッター
個人宅で子どものお世話をするのが主な仕事です。ベビーシッターは資格がなくてもできますが、保育士資格があれば、保護者からの信頼も得られるため、安心して預けてもらえるでしょう。子どもが病気で保育園を利用できないときのような、緊急時の一時利用としても高いニーズがあります。
商業施設内保育ルーム
最近は商業施設内にも保育ルームが増えています。子どもを一時的に預けて、保護者が買い物や用事を済ませるためのサービスです。また、イベント会場でも保育ルームが設置されることがあります。
乳児院
乳児院とは、何らかの理由で保護者との生活が困難である乳幼児が生活をする施設です。24時間体制で子どもたちを育てていくため、夜勤もあります。
児童養護施設
児童養護施設は何らかの理由で保護者との家庭生活を続けることが困難となった子どもたちが入所しています。1歳から18歳までの子どもが対象です。複雑な家庭環境で育った子どももいるため、日常生活のサポート以外に精神面でのサポートも大切です。
障がい者施設
保育士が活躍できる主な障がい者施設には、知的障害児通所施設と情緒障害児短期療養施設があります。知的障害児通所施設とは、知的行動に障がいがあり療育が必要な18歳未満の子どもが通所する施設です。情緒障害児短期療養施設は引きこもりや不登校、神経の障がいや心理的な問題がある18歳未満の子どもが入所しています。保育士は、子どもたち一人一人とじっくり向き合って指導していくことが大切です。
保育士試験というと、難しい筆記試験やピアノの実技が大変というイメージがありませんか? これまで学校の勉強が苦手でも、ピアノが弾けなくても諦めないでくださいね。
保育士試験は全9科目で、1科目6割以上の点数が取れれば合格です。全科目で高得点をとる必要はありません。定員はないため、きちんと勉強してきた人であれば合格できる試験です。また、合格した科目は3年間有効なため、ゆっくり取得する人もいます。
さらに、筆記試験は記述式ではなくマークシートです。心配する人が多い実技試験は、音楽、造形、言語のなかから得意な2分野を選んで受験できます。
このように、保育士試験は対策が立てやすく、コツコツ勉強すれば合格しやすいといわれます。働くママが増えている現在、これからもますますニーズが高まることが予想される保育士。さらに仕事だけでなく、自分の子どもが産まれた際にも役立つ知識が得られます。
子どもが好きで、何か新しいことにチャレンジしたいなら、「保育士講座」にぜひチャレンジしてみてくださいね。