季節の挨拶状としては、年賀状より形式ばっていない暑中見舞いですが、送る相手に失礼がないよう、最低限のマナーはおさえておきましょう。
1.送る意味
暑い中、友人やお世話になっている方の体を気遣うための季節の挨拶状です。
2.送る時期
梅雨が明けた後から、立秋前(8月8日頃)までに届けるのが良いとされています。この期間を過ぎたら「残暑見舞い」を出しましょう。
3.文章構成
暑中見舞いの言葉、安否を気遣う言葉、近況、先方の健康を気遣う言葉、日付などを書きます。日付には「平成○年 盛夏」と入れるのが慣例。また、「拝啓」「敬具」などの頭語や結語は不要です。
いざ書こう! と思っても、どのように書けばいいのか悩みますよね。特に、相手が上司や目上の人であれば、失礼にあたらないように気をつけなくてはなりません。そのためにも、暑中見舞いを書く際には、送る相手やシチュエーションごとに内容や文体を変えるのがベター。まずは、暑中見舞いの文例をご紹介します。
【一般的な暑中見舞い】
まずは以下のような順番で書いてみましょう。慣れてきたら、自分流にアレンジしてもいいですね。
①暑中見舞いの挨拶
まずは、はがきの冒頭に他の字よりやや大きめに書きましょう。
(例)「暑中お見舞い申し上げます」「暑中おうかがい申し上げます」
②季節の挨拶
梅雨明け後から立春前までにふさわしい時候の挨拶の言葉を用いましょう。
(例) 「蝉の声が日増しに賑やかになって来ました」「寝苦しい日々が続いております」
③相手の安否を気遣う
季節の挨拶に続けて、安否を気遣う文を入れましょう。
(例)「お元気でお過ごしでしょうか」「いかがお過ごしでしょうか」
④自分の近況報告
続いて、簡単に自分の近況報告です。引っ越しや結婚の報告、最近夢中になっていることなど、具体的な内容にすると相手も喜んでくれるでしょう。
(例)「心機一転のため、住み慣れた土地を離れ、思い切って引っ越しをしました。まだまだ片付いていませんが、お暇な時には是非お越しください」
「夏休みを利用して、ずっと憧れていたパリ旅行をする予定です。お会い出来た時に、おみやげを渡せればと思います」
⑤結びの挨拶
相手の無事を祈る言葉を書きましょう。
(例)「夏バテにお気をつけてお元気にお過ごしください」
「まだまだ、酷暑が続くようです。お体を大切に過ごされますようお祈り申し上げます」
⑥日付
日付は年号から書きます。「○年○月○日」のように正確に記す必要はありません。
(例)「平成○○年盛夏」「平成○○年七月」
①暑中お見舞い申し上げます
②梅雨も明け、本格的な夏到来となりました。
③皆様お変わりなくお過ごしでしょうか。
④私どもは暑さにも負けず、元気にしておりますので、ご安心ください。
⑤これからまだまだ暑い日が続くようです。くれぐれもお大事にお過ごしください。
⑥平成○○年 盛夏
【職場の上司などの目上の人やビジネス】
【一般的な暑中見舞い】で紹介したポイント以外にも、以下のことに気をつけましょう。
①季節の挨拶、相手の安否を気遣う
友人や親戚に送る時よりも丁寧な言葉を使いましょう。
(例)「炎暑の候、貴社いよいよご盛栄のこととお慶び申し上げます」
「猛暑が続いておりますが、ますますご清栄のことと存じ上げます」
②謝辞
日頃お世話になっている人へ、感謝を述べましょう。
(例)「日頃より、格別のお引き立てを賜り、心より感謝いたしております」
「平素は格別のご厚情をいただき心よりお礼申し上げます」
③近況報告や連絡事項
親しくしてもらっている方には近況報告をしましょう。送る相手によっては「これからはより一層業務に励みます」などの当たり障りのない文書が適している場合もあるので、適宜判断しましょう。企業として送る場合、宣伝やセールのお知らせ、夏季休業日のお知らせをすることもあります。
(例)「休暇後はご期待に添えるよう、より一層勤務に励む所存です」
「誠に勝手ながら、弊社では下記の予定で夏季休業を実施させて頂きます」
④結びの挨拶
相手の健康の気遣いや取引先への気遣いの言葉を述べて文章をしめましょう。
(例)「まだまだ暑さが続きます。お体にはくれぐれもお気をつけてくださいますようお願い申し上げます」
「貴社の更なる飛躍をひとえにお祈りいたします」
暑中お見舞い申し上げます
① このところ猛暑が続いておりますが、お元気でお過ごしのことと拝察申し上げます。
② 日頃は何かとお世話になり、またお心にかけてくださいましてありがとうございます。
③ 今後も一層の努力を重ねていく所存ですので、よろしくお願い申し上げます。
④暑さ厳しき折柄、くれぐれもご自愛のほどお祈り申し上げます。
平成○○年 盛夏
【送っていない相手から暑中見舞いが届いた場合】
送っていない相手から書状をいただいたら、必ず礼状を出しましょう。
①まずは感謝の言葉を
礼状は普通の暑中見舞いの冒頭に、お礼の一言を添えます。
(例)「暑中お見舞いをいただきまして、ありがとうございました」
「ご丁寧にお見舞い状をいただきまして、恐れ入ります」
②もらった暑中見舞いの内容に一言
「見舞い状読みました、ありがとうございます」という気持ちを表すために、届いた暑中見舞いを受けての一言を入れましょう。
(例)「この暑さの中、皆様におかれましては、お健やかにお過ごしのご様子でうれしく存じます」
「私どもはお陰さまをもちまして、元気に過ごしております」
暑中お見舞い申し上げます。
①ご丁寧なお見舞い状をいただきまして、誠にありがとうございました。
②暑い日も続いておりますが、お元気でお過ごしとの由、何よりのこととうれしく拝見いたしました。お陰さまで、家族一同元気に過ごしております。
まだ当分暑さが続くかと思われますが、くれぐれもお体ご自愛ください。
平成○○年 ○月
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