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2020.08.05

遊び心が満載!一風変わったオリジナル写真の撮り方

遊び心が満載!一風変わったオリジナル写真の撮り方

旅先で定番の記念写真を撮るのもいいけれど、たまには心に残るような自分だけの一枚を撮ってみませんか? ほうきにまたがって空を飛ぶ強烈なインパクト写真で世間を驚かす写真家でインスタグラマーのhalnoさんに、写真撮影の極意をうかがいました。

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偶然見つけた一本のほうきにまたがってみたら……!

偶然見つけた一本のほうきにまたがってみたら……!

あれこれプランを立てて旅に出たのに、帰ってきてその思い出の写真を見返してみると、観光スポットの前で直立しているだけだったり、いつもの表情でピースしているだけだったり……。どこに出かけても、いつもと代わり映えのしない、ありふれた記念写真になりがち。もっと心に残る楽しい写真を撮るにはどうしたらいいのでしょう。

そこで、世界中のあらゆる場所でほうきにまたがって空飛ぶ写真を撮影し、発信し続けている、写真家でインスタグラマーのhalnoさんに、一風変わった写真の撮り方を教えていただきました。

ふだんは企業のパッケージデザインや広告、CM等のアートディレクションの仕事をしているhalnoさん。このような「浮遊写真」を撮るきっかけは何だったのでしょうか?

「もともと写真も旅も好きで、カメラを持ち歩いてまだ見ぬ場所へ足を運ぶのが好きでした。京都に住んでいたこともあるので、いわゆる有名な寺社仏閣も撮ったり、旅先でもいろんな被写体にシャッターを切っていました。ある時、たまたま落ちていたほうきを見つけ、またがって飛んでみたら魔法使いみたいで面白いかな、と軽いノリでやってみたところ、想像以上に面白い写真が撮れちゃって……。Instagramにアップしたら、コメントや『いいね!』が急増、今まで経験したことがないほどバズったんです。それが約8年前。子どもの頃からファンタジーのイラストを描いたり想像したりするのが大好きで、イラストレーターになろうとデザインを学んだほどでした。その分、『写真でもファンタジーの世界が表現できるんだ』と感動。そして『こんなにみなさんからの反響があり、喜んでいただけるのなら』と、作品として撮り始めました」(halnoさん)

面白いアングルや構図は? 景色の見方を日頃から養っておこう

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「魔法使いみたいで面白いかな」とほうきにまたがる浮遊写真を撮り始めたhalnoさん。「どうやって撮ったの?」と尋ねたくなるほど引き込まれる作品ばかりですが、なんと、これらはすべて合成ではないそうです。しかも連写なしの一発撮り!

「カメラをセットして、ジャンプした瞬間を一発で撮っています。でも、ただ単にどこでもいいから飛んで撮影しているわけではないんですよ。シーンを頭の中に思い浮かべて、その中でどんな風にふわっとほうきで浮くかをイメージしています。感動や雰囲気・世界観が伝わるような写真を撮るために、大事にしているポイントがいくつかあります」(halnoさん)

そこで、遊び心のある、面白い写真を撮る秘訣を聞きました。

■自分だけの写真の「型」を作ってオリジナリティーを出そう

世界中の人が多くの旅写真を発信する中、ほうきで飛んでいる写真でhalnoさんだとひと目で認識できるのも、大きな強み。またそのスタイルを継続してきたからこそ、唯一無二の存在・作品であり続けられるのでしょう。「見た瞬間に“この人の作品”とすぐに分かる要素を、2つくらい足すとオリジナリティーが出ますね。とはいえ『作品』を意識しすぎて作り込むと、あざとさも出て反響が得にくくなる可能性もあります。その場所へ行った時の感動や、好きだと感じたポイントなどを入れることが重要です」(halnoさん)

ちなみに海外からオファーがあった場合は、ほうきは現地のものを依頼主に準備してもらい、ご当地感を演出するのが基本だそう。無理な時は日本から大型荷物として海外に持っていくそうです。ほうきを持って海外を歩いていると「それで空を飛ぶのか?」とフランクに話しかけられるのも、海外ならではの反応で楽しいそうです。

そんなhalnoさんもフォローする、注目のインスタグラマーを紹介。

遊び心が満載!一風変わったオリジナル写真の撮り方

@muradosmann 「follow me to」というテーマで、その土地にあったコスチュームを着た後ろ姿を世界各地で撮り続け、402万人ものフォロワーを持つ世界で五指に入るトラベル系インスタグラマー。Muradさんの手をパートナーのNatalyさんが名所・観光地に引っぱって誘う写真が印象的です。来日の際には、秋葉原での撮影をhalnoさんがアテンド。アニメのコスプレをしたNatalyさんの前を、ほうきに乗ったhalnoさんが横切るコラボレーション写真もあります。メッセージ性のある写真を発信するインスタグラマー同士、国境を越えてのお付き合いが生まれるのもSNSの醍醐味のようです。

@girleatworld ご当地グルメやスイーツを持った手の向こうに、観光地や名所の風景が広がり、思わず食べ歩きしているような気分になれる写真が人気。例えば、エッフェル塔の前ではマカロン、エアーズロックの前ではオーストラリアワイン、清水寺の前では抹茶ソフトなど。旅先でしか味わえない風景と味を詰め込んだ写真を見ていると、まさにその地に自分もいるような気分が味わえます。定番の観光地ながら、独自の視点で入れ込んだご当地グルメで、オリジナリティーがぐんと際立ついい例です。

■いい写真はどこでだって撮れる! 自分の「視点」を見つけよう

遊び心が満載!一風変わったオリジナル写真の撮り方

「先入観や思い込みを捨てて、いろいろな視点で景色を見るようにしています」とhalnoさん。そうすると、思いがけない面白い景色に気付いたり、新たな発見につながるそうです。

この「面白いかも」を探す訓練こそが、面白い写真を撮るための第一歩なんだとか。常に遊び心をもって周囲を観察してみると、そこには今までとは違う世界が広がっているかもしれません。まずは通勤途中などの日常生活から、面白いポイントやアングルを探してみては?

「写真の『勘』みたいなものが研ぎ澄まされて、自然とどんなものが面白いかひらめくようになりますよ」(halnoさん)

■ベストポジションやアングルをシミュレーションしておく

観光地に出かけて面白い写真を、と思ってもその場で良いアイディアに恵まれることはなかなかないもの。halnoさんも、出かける前にある程度の予習はしていくそうです。初心者や慣れていない人におすすめの方法としては、Instagram等で地名や観光地をハッシュタグで検索し、「この写真いいな」と思ったもののアングルを参考にすること。例えば「#嵐山」のような誰もが知る観光地でも、渡月橋を写真の構図にどのように入れるか、どこから撮るか、というのを事前に考えておくと、スムーズに撮影できるそうです。海外に行く時も同様に、リアルな情報をInstagramで収集しましょう。

「浮遊写真を撮るコツは、カメラを足元に置いてジャンプした瞬間を撮ること。そうすると浮遊感が出て、まるで、高く飛んでいるかのように見えますよ。映画やアニメの影響で、子どももほうきに乗るのは大好きです。お子さんがいるご家庭でもぜひ一度浮遊写真を試してみてください。 絶対歓声が上がりますよ」(halnoさん)

■人が少ない朝の時間帯を狙う

いくらベストアングルについて予習しても、人がたくさんいる時間帯だと、意図する写真が撮れない場合があります。名所や観光地は人の往来がなかなか途切れることがないため、いっそ朝やオープン直後の人のいない時間帯を狙うのもひとつの手です。

■映えそうな場所をガイドブック等でチェック

ガイドブックや絶景写真集などの写真を見て、ふだんから映えそうなところをチェックしておくのもおすすめ。また、せっかく出かけたのに紅葉や開花のシーズンオフで、期待していたような映えショットが撮れない、なんてことにならないように、最高のタイミングに行けるように計画を立てることも大切です。

halnoさんも行ってみたい場所を日頃からどんどんリストアップしているそうです。

世界中にゴロゴロある素敵なものを楽しんで!

世界中にゴロゴロある素敵なものを楽しんで!

halnoさんの映え写真の撮り方や景色の切り取り方などのポイントを教えていただきました。デザインやアートディレクションの仕事をするなかで、例えば「このデザインいいな」と他社のパッケージデザインで感じたら、そう思った理由をあらゆる角度から分析するそうです。「そうして常にいいアイデアを自分の中にストックしておくことで、いつでも引き出すことができる」とhalnoさんは言います。

「人間にも、いいところと悪いところがあるけれど、なるべくいいところばかりを見たい、引き出したい。いつもそう思っています。それは、世界中のいろんな景色に対しても同じです」(halnoさん)

上の神々しい滝の写真は、昨年アイスランドで撮られたもの。手付かずの雄大な自然があり、日本ではまだそれほど観光地としての知名度が高くないアイスランドは、まさに大自然の宝庫。浮遊写真を見てくれた人の縁で、訪問する機会に恵まれたそう。ファンタジー映画の主人公になったような気分で、halnoさんにとっては「まさに楽園だった」そうです。浮遊写真を撮っていなければ、この景色にも巡り合えなかったかもしれません。

みずみずしい感性で、あらゆるもののいいところにスポットをあてて、世界中のフォロワーたちとその世界観を共有しているhalnoさん。halnoさんが訪ね写真を撮った場所が、写真とともにInstagramやTwitter等のSNSで反響を呼び、拡散されていきます。

「それは、まだあまり知られていない魅力的な場所と人をつなげることでもあります。なかには『ぜひ我々のところに来て、世界に紹介してほしい』という依頼もあるんです」(halnoさん)

とはいえ、昨今の新型コロナウィルスの影響で、海外や国内はおろか、都道府県をまたがる移動でさえ難しく、気軽に旅をすることが難しい現状。

「この状況が好転して、また自分の意思で旅に出かけられる日が来るのを心待ちにしています。世界中にはまだまだ素敵な場所がたくさんありますから。みなさんもその時までに、ぜひ自分らしい景色の切り取り方を考えておいてくださいね」(halnoさん)

まずは近所の散歩から、「どんな時間」「どんな季節」がいいのかを考えてみては。さらに、「こっちから見てみたら好き」「寄ってたら面白い」など、写真でどう切り取るかを意識しておきましょう。晴れて自由に旅できるようになったときに、鍛えた「力」を発揮できるようにしたいですね。

取材・文:羽生田由香
【取材協力】
halnoさん
halnoさん
写真家、アートディレクター。ほうきに乗って、世界のあらゆる場所で合成をせずに浮遊しているシーンを演出・撮影し、ファンタジーな世界をInstagramで発信。フォロワーは27万人と世界中から注目を浴びている。写真集に「今宵、空で逢いましょう」(飛鳥新社)、「いぬ。ねこ。りす。ときどきふさふさ部」(インプレス)など。
 

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