朝や夜にしっかり時間をとって、毎日リンパケアを習慣にし、継続するのはなかなか難しいもの。でも、薄着の季節になってから後悔したくないし、本格的な夏を迎える前にすっきりボディに整えておきたい……。
そんなワガママな悩みを聞いてくれたのは、セルフケアエステティシャンのLilyさん。SNSで独自のリンパマッサージメソッド動画を配信し、「効果が見える!」とフォロワーにも大好評です。
Lilyさんのマッサージメソッドは、多くの施術経験から開発した、独自の「深層リンパマッサージ」。一般的に「リンパマッサージ」と呼ばれるものは、体の表面近くにある細いリンパ=浅層リンパ管の流れをよくし、体に溜まった老廃物の排出を促すもの。一方、Lilyさんの開発した「深層リンパマッサージ」とは、体の奥を通っている太い流れ=深層リンパ管を刺激するもの。「骨のキワを狙って、その奥の筋肉の近くにある深層リンパにアプローチします。太い川(深層リンパ)をせき止めていた大きな岩(筋肉のコリ)をなくして、せき止められていた川の水(溜まった老廃物)がどんどん流れ始めるようにすれば、体が軽くなったり、ボディラインがスッキリしたり、徐々に変化を実感できます」(Lilyさん)
「体の中に流れるリンパは、大きく分けると二つの大事な役割を担っています。一つ目は、『体の下水管』とも言われているように、体内の老廃物や余分な水分を回収する働きです。二つ目は、リンパが流れるリンパ管は、血管と同様、全身に張り巡らされていて、その間にはフィルターの役割をするリンパ節があり、体内に侵入した細菌やウイルスなどを攻撃・排除する免疫器官としての働きです」(Lilyさん)
「このリンパの担う体内の水の巡りをよくすることで、溜め込んで滞っていた老廃物の流れをよくし、日々の疲労感やだるさをスッキリさせてくれるのです。肌に触れてなでることで、リラクゼーション効果ももたらし、体の免疫力もアップすると言われています。私自身、日頃のリンパマッサージによって体内に不要なものを溜め込まないことで、思考が前向きになっているなと実感することも。もちろん、物理的に溜まった老廃物や不要な水分の排出を促すので、本来のボディラインが現れ、スッキリと整って細くなることから、ダイエット効果にもつながるんです」(Lilyさん)
そこで、いつでもどこでも隙間時間にできる「1分で深層リンパマッサージ」を教えていただきました。座ったままでもできるので、オフィスで、家で、さりげなく電車内で……。「キツくて続けられないものではなく、毎日繰り返せるものを少しずつでも積み重ねたほうが、結果的に理想のボディへの近道になる」というLilyさん。さっそくチャレンジしてみましょう!
PC作業やスマホ操作……姿勢のクセなどで同じ体勢や緊張が続くと、筋肉に弾力がなくなり硬く縮こまってしまいます。これこそがコリの正体。体のコリは血流やリンパの流れをせき止め、本来排出されるはずの老廃物や水分を体に溜めてしまいます。これらを放っておくと、むくみや冷えを招き、脂肪がつきやすくなって、結果セルライトの原因にも。本来ならば、スムーズにリンパに流れ出ていくはずの老廃物をせき止めてしまって、太りやすくなる。まさに負のスパイラルを引き起こす原因に。
今回、「座ったままでもマッサージできて効果も分かりやすい」とLilyさんが教えてくれたのが、鎖骨まわりのマッサージ。鎖骨付近にはリンパの最終出口と言われる『静脈角』があり、ここが詰まっていると全身の流れを滞らせてしまうことに。それではさっそく簡単4STEPにトライしましょう!
~美人度アップ!細見え&若見えする上半身リンパマッサージ~
STEP1 首横の筋を下に向かってなでて流す
目安:3回
顔を右に傾け、手をピースの形にして耳をはさみ、反対の手はピースした手に添える。首の横の筋に沿って、指の腹でなでるくらいの力で鎖骨方向に老廃物を流す。筋にあてた手にもたれかかるように首を傾けると、緊張した筋肉が緩み、より筋肉を捉えやすくなる
中途半端な位置でやめず、リンパ管のある鎖骨の上部にまで押し流すイメージで。この筋(胸鎖乳突筋)がスッキリ際立って、うっすらとタテの筋が見えると、横顔の美人度がアップ。顔の不要な老廃物を流すことで、小顔効果も期待できる。
STEP2 鎖骨の上下を指ではさんで流す
目安:3回
鎖骨の上下に指を入れ、体の中心から肩に向かって押し流す
鎖骨はまっすぐ直線ではないので、自分もゆらゆら揺れながらなめらかに鎖骨のラインに沿って押し流す。鎖骨中央から流してきた老廃物を肩で止めず、その先にまで流し出すようなイメージで。鎖骨のシルエットが出ていると、それだけでフェイスラインがすっきりして美しく見える。
STEP3 バストの上部の筋肉のハリ・コリをほぐす
目安:3回
親指を入れ込んで手で握りこぶしをつくり、4本の指の第一関節と第二関節の間にできる面を使ってマッサージする。鎖骨の一段下にあて、胸の大きな筋肉をほぐすように、イタ気持ちいい圧をかけて中心から肩に向かって押し流す
関節を使うのではなく、指の広い面で刺激をすることで、深いところの筋肉を必要以上の力で傷めることなくしっかりと圧をかけることができます。横にスライドさせながら、脇の下に老廃物を流し込むように。
STEP4 脇の下(表側・裏側)をほぐす
目安:各2回
脇の下(表側)をほぐす
脇の下に4本の指をあて(指の形は上の写真を参考に)、親指とはさんで脇の付け根の前側(表側)をもみほぐす。脇の下にある太いリンパ管に老廃物を流すため、コリをほぐして巡りをよくする。
次に、脇の下(裏側)をほぐす
親指を脇の下にあて、4本の指とはさんで脇の付け根の後ろ側(裏側)をもみほぐす。
ここまでの1から4までのステップを、体の右側でも順番に行い、首~鎖骨~脇の下へと老廃物を流しましょう。
滞りのない美しいボディのLilyさん、上記で紹介したものを含め、リンパマッサージに毎日余念がないのかと思いきや、疲れた日には、バスタブに浸かって軽くもみほぐす程度だとか。毎日やらなくちゃと頑張るのではなく、最初は週に3回程度、楽しくて気持ちがいい程度に始めてみるのがおすすめだそうです。
「『しんどくないと』とか『頑張らなくちゃ』というのは結局続けられず、効果を得にくいもの。今回ご紹介したリンパマッサージも、1週間毎日頑張ってそこから2週間くらい間が空いてしまうくらいなら、週3回でも1年間続けたほうがいいと思います。およそ3ヵ月後には体のラインがすっきり引き締まっていることに気づきますよ」(Lilyさん)