辛い二日酔いの原因は、アセトアルデヒドという有害物質です。アセトアルデヒドはアルコールが肝臓で分解されるときに発生し、本来であれば分解されて体外に排出されるはずの物質。しかし、肝臓で処理しきれないくらいのアルコールを摂取するとアセトアルデヒドが体に残り、胸焼けや頭痛などの二日酔いの症状が出てきます。
二日酔いを防ぐためには、お酒を飲み過ぎないことはもちろんですが、肝臓の解毒作用を高めることも大切です。二日酔い対策で思い浮かぶ料理と言えば、まずは「しじみ汁」ではないでしょうか。しかし、二日酔いの朝にしじみ汁を用意するのはちょっと面倒…。もっとシンプルな物で二日酔い対策ができたらと思いませんか?
そこでおすすめしたいのがトマトジュースです。トマトには体内の酵素を活性化させる成分が含まれています。この酵素には肝臓でのアルコール代謝を促す役割があるため、アセトアルデヒドの分解が進み、二日酔い解消につながると考えられています。
また、トマトに含まれるクエン酸には肝臓にあるアルコールの代謝を促進する酵素(LDH)を活性化させる働きがあり、疲労の軽減にもつながります。トマトには二日酔いの症状を緩和させる”元気の素”がたくさん入っていると言えるでしょう。(※1)
他の食材では、梅干しにもクエン酸が多く含まれるのでおすすめです。梅和えをお酒のつまみにする、カリカリ梅を食べるという方法もあります。特にカリカリ梅は調理せずにそのまま食べられるのが魅力的です。
前日についつい飲み過ぎて、二日酔いで体はお疲れモード…という朝は、なるべく胃に負担をかけないやさしい食事がベストです。
鶏そぼろがゆ
材料
作り方
二日酔いの朝は無理をして食べなくてもよいですが、空腹で落ち着かないときは消化の良いおかゆがおすすめです。しめじにはしじみと同様にオルニチンが豊富に含まれています。鶏肉のたんぱく質、お米の炭水化物と、体を回復させる成分が勢揃いです。
二日酔いには、予防も大切です。空腹のままお酒を飲まない、そもそも飲み過ぎないなどはもちろんですが、食事にも工夫しましょう。
チーズサラダ
材料
作り方
チーズやオリーブオイルなどの脂肪分は消化に時間がかかるため、胃や腸でのアルコール吸収を抑制し、二日酔い予防につながります。アルコールの吸収を遅らせる油を使っているサラダをお腹に入れてからお酒を飲むと飲み過ぎ防止にも役立ちますよ。
オクラと納豆のネバネバ和え
材料
作り方
納豆やオクラに含まれているネバネバ成分にはアルコールの吸収を抑制する働きがあります。胃の粘膜を守ってくれるので、お酒を飲むときにはぴったりのおつまみです。
アレンジレシピでさらにおいしく、二日酔い予防を!
二日酔いに効く食べ物や飲み物の効果を最大限に発揮するためには、摂るタイミングが重要です。特にお酒を飲む前の二日酔い対策が一番大切なので、少しでも脂質を含んだ料理をお腹に入れておくことを意識しましょう。
二日酔いに効く料理を食べたからといって劇的な効果を感じられる訳ではありませんが、「これを食べたら安心」と思えると嬉しいですよね。辛い二日酔いを引き起こさないためには、飲む前にも飲んだ後にもしっかりと対策をしましょう。 そして、お酒の席を存分に楽しんでください。
参考
※1 ヒトにおけるレモン果汁およびクエン酸摂取が運動後の血中乳酸濃度に及ぼす影響 日本栄養・食糧学会誌第54巻 第1号29-33(2001)