2018.06.05

アンガーマネジメントとは?怒りとうまくつきあう方法を知ろう

アンガーマネジメントとは?怒りとうまくつきあう方法を知ろう

うまくつきあえないと、人間関係を悪化させトラブルを引き起こしたり、心身の病気を引き起こしたりする、やっかいな「怒り」。怒りに振り回され、困った状況に陥る人も少なくありません。そこで今回は、怒りとうまくつきあうための「アンガーマネジメント」の方法を、保健学博士で、ストレスマネジメントの専門家である、蝦名玲子さんに解説していただきました。

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怒りをコントロールできない!アンガーマネジメントができないことのリスク

怒りをコントロールできない!アンガーマネジメントができないことのリスク

イラッとすることがあったとき、あなたはどのような反応をしますか?まずは、よくやってしまいがちなNGパターンとそのリスクを2通り、お伝えします。

NGパターン1:人やモノに、怒りをぶつける

人に怒鳴ったりモノにあたったりと、怒りをそのまま表現してしまうと、人間関係を悪化させ、大きなトラブルを引き起こしかねません。また頻繁に強い怒りを感じる場合には、度重なる血管や心臓等への負担から、脳卒中や心臓病等の病気のリスクも高まります。

NGパターン2:我慢して、怒りを抑える

イライラしても、その怒りを抑圧し続けてしまうと、あなた自身のなかで次第に不満が募り、長期的にみて人間関係が悪化してしまう可能性が高まります。また身体の免疫系の防衛機能が正常に活動しなくなったり、自責の念から落ち込んだりし、心身の病気を発症させかねません。

怒りというのは、危険にさらされたときに、自分を守るために生じる自然な感情ですが、上記のNGパターンに陥りがちな人にとっては、人間関係の悪化や心身の病気を引き起こすものとなり得ます。

怒りと上手につきあうための心理トレーニングを「アンガーマネジメント」といいますが、ここでは、まず怒り特有のメカニズムを解説し、そのうえでアンガーマネジメントのポイントをお伝えしていきましょう。

怒り特有のメカニズムとは?

怒り特有のメカニズムとは?

「仕事で疲れきっているときに、些細なことにイラッとして、怒鳴ってしまった」、そんな経験はありませんか?

なぜこのようなことが起こるかというと、怒りは「第二次感情」で、実は怒りの奥には、別の「第一次感情」があるからです。

第一次感情には、「ヘトヘトだ」という疲労感、「傷ついた」という悲しみ、「期待していたのに裏切られた」という失望感、「わかってもらえない」という孤独感など、さまざまな感情があります。

こうした第一次感情が満たされない場合に、「不満だから、なんとか状況を変えてほしい」と、さらに強い感情である第二次感情に姿を変えて出てくるのが、怒りなのです。

つまり、怒りは悪いものではなく、うまくつきあえたら、こうした気づきにくい心の奥底に潜んでいる本音に気づかせてくれるものだといえます。

では、どのようにつきあったら、怒りに振り回されずに、うまくコントロールできるのでしょうか?

アンガーマネジメントの方法とは?怒りとうまくつきあうための3つのステップ

アンガーマネジメントの方法とは?怒りとうまくつきあうための3つのステップ

ステップ1:イラッとしたらまず、反射的な怒りをしずめる

アンガーマネジメントの基本は、イラッとしたときに、そのまま反射的に怒らないこと。そうすることで、自分も相手も傷つける、非建設的な対応をせずに済みます。

具体的には、イラッとしたら、まずは深呼吸をして、呼吸を整えましょう。そのときに、息を長く吐くことを意識してください。

あるいは、「1、2、3……」と、心のなかで数字を10までゆっくり数えてみるのもいいでしょう。 「咄嗟の怒りのピークは長くて6秒」という説(※)もあるので、少なくとも6秒間は呼吸に集中したり、数を数えたりするなど、意識を別の方向に向けるようにしましょう。

ステップ2:怒りの理由を明確にする

反射的な怒りをしずめても、まだ怒りがおさまらない場合もあります。そうした場合には、自分が何に腹を立てているのかを明確にしましょう。

たとえば、所属部署の人員が減らされ、あなたの仕事量が激増。「残業続きでヘトヘトなのに、上司が労わりの言葉をかけてくれなかった」といった出来事があったとします。

こうしたとき、「これだけ大変なのに、気づいてもくれないなんてひどい」と捉えると、「なんて最悪な上司なんだ!」と怒りの感情が発生します。

しかし、「部署の人数が減って上司も大変そうだな」と捉えたり、「うちの上司は不器用だから部下の細かい変化に気づけるわけがない。だからこそ、自分がうまくサポートしてあげなくては」と最初から期待せずむしろ右腕的に支えようと思っていたら、怒りが湧くこともありません。

実は、あなたを怒らせているのは、出来事そのものではなく、あなたの思考や捉え方によるものなのです。

「自分のこの思考が怒りを生み出したんだ」と怒りの理由を理解することが、怒りへの対処策を考えるうえで重要となります。

ステップ3:対処策を考え、実行に移す

怒りの理由がわかったら、今度は、対処策を考えましょう。

たとえば、「これだけ大変なのに、気づいてくれないなんてひどい」と捉えることで怒りが発生したことがわかったら、今度は「どうすれば、自分の求める状況が手に入るか」を考えてみるのです。

  • 「気づいてもらえないなら伝えよう」と考え、「残業が続いているせいで健康状態が悪くなっていて、このまま続けられるか、不安なのです」と自分の状況や気持ちを上司に伝える。
  • 「自分がこれだけ大変なのだから、上司はもっと大変なのかもしれないな」と考え方を変えてみる。
  • マインドフルネス瞑想をし、脳と心を休ませる。
  • 自分の健康が第一!何があっても、残業はしないことにする。

…など、さまざまな案が出てくるはず。

自由にいろいろな案を考えたら、それらの選択肢から、「具体的か」「できたかどうか確認できるか」「難しすぎず、実際にできそうなことか」「適切で効果がありそうな行動か」「すぐにできそうか」の5つの視点から行動を選択し、実行してみましょう。

怒りは、つきあい方を間違えると、人間関係の悪化や心身の病気を引き起こす、やっかいな感情です。しかし、うまくつきあえれば、あなた自身やあなたの生活を振り返る機会をくれる大切な存在ともいえるのです。

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「3つのステップ」出典:障害者職業総合センター職業センター(編)『精神障害者職場再適応支援プログラム:気分障害等の精神疾患で休職中の方のためのアンガーコントロール支援~講習編~』 独立行政法人高齢・障害・休職者雇用支援機構、2015年.
「※」出典:安藤俊介(監修)『今日から使えるアンガーマネジメント 怒らず伝える技術』 ナツメ社、2016年.

解説者プロフィール
蝦名玲子(えびなりょうこ)さん
保健学博士。ミシガン州立大学大学院にて修士号(コミュニケーション学)、東京大学大学院にて博士号(保健学)を取得。複数の国公立の医学系研究所で勤務後、2002年に(株)グローバルヘルスコミュニケーションズを設立・代表取締役に就任。全国の官公庁や企業、大学等で「ストレスマネジメントや職場を元気にするコミュニケーション」の講演やコンサルティングを行う。著書は『困難を乗り越える力:はじめてのSOC』(PHP新書)、『生き抜く力の育て方:逆境を成長につなげるために』(大修館書店)、『ストレス対処力SOCの専門家が教える:折れない心をつくる3つの方法』(大和出版)他、多数。

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