ウェディングデザイナーの藤本優さんは、「手作りウェディング」を多数手がけるクリエイター。結婚式の段取りや、全体のプロデュースを行う「ウェディングプランナー」とは違い、プランナーやフラワーアーティストと連携を取り、会場の飾り付けやペーパーアイテム、ドレス、ブーケなどのビジュアル面の提案をします。ペーパーアイテムや会場の装飾などは、ウェディングデザイナーで制作もします。
より新郎新婦やゲストに寄り添った、オーダーメイドの演出を叶える手作りウェディングを実現するために、ウェディングデザイナーが存在するのだとか。さっそくお話を伺いましょう!
――「手作りウェディング」とは、どんなウェディング?
ウェディングのスタイルは年々多様化しています。ガーデンパーティーやフォトウェディングなど、自分たちらしい、自由な発想の結婚式が主流になってきている中で、結婚式に関係する事柄やアイテムを自らの選択とアイディアで作り上げるのが「手作りウェディング」だと思います。
手作りウェディングの良さは、「自分たちがおもてなしをするんだ」という意識が持てること。オーダーメイドのアイテムを取り入れることで新郎新婦の幸せを形にできることはもちろんですが、それ以上に、ゲストへの感謝の気持ちを伝え、夫婦の門出を迎えられることが最大のメリットではないでしょうか。
「手作り」と聞くとちょっと難しそうに聞こえるかもしれませんが、例えば思い出の場所で式を挙げたり、招待状などのペーパーアイテムをオーダーメイドで作ったり、席札を一枚一枚手書きしたり、また、ご自身で「ウェディングのテーマを決める」ということも立派な手作りウェディングの形だと思っています。
――藤本さんがウェディングデザイナーを目指したきっかけは?
仕事のスキルアップとしてデザインを学びたい、また自らの手を動かす仕事をしたいというので、元々何かを探していたというのはありますが、私がウェディングデザイナーの仕事に興味を持ったのは、自分の結婚式の経験から。もともと凝り性で(笑)、沢山のウェディングの事例を見て、海外からアイテムを購入したり、作ったりしながら思い描く結婚式を少しずつ作りこんでいきました。
少しこだわりすぎて、前日まで準備は大変でしたが、私たちの好きな世界観を作り上げるのはとても充実していましたね。何より、お越し頂いたゲストの方々が喜んでくださったことがとても嬉しくて。
そして、自分の結婚式を終えた時、自分たちだけが大変だと思っていた結婚式が、沢山の方々に支えられてできていたんだと、心から実感し、この素晴らしい経験をみんなができれば良いのにと思ったのがきっかけです。
――どんなカップルが、「手作りウェディング」を好むんですか?
私がお手伝いさせていただく方々には、「ゲストが楽しめるものを作りたい、ゲストにおもてなしをしたい」という気持ちが強い方が多い気がします。
また、ウェディングのプランニングは女性が主導するものかと思いきや、私のところへお越しになるカップルの中では2〜3割は男性主導のパターンがありますよ。こだわり始めるととことん突き詰めたくなるのは、意外に男性のほうなのかも(笑)。
結婚は2つの家族のことですし、新郎だけ、新婦だけにならずに、お互いのゲストのことを考え、ぜひおふたりで楽しみながら、オリジナルの式を作ってほしいですね!
今回は特別に、藤本さんが手がけたウェディングから、2例をご紹介します!
●温かみのあるピクニックスタイルが心地いい!
お酒を楽しむレストランウェディング♡
©hyu-wedding
ゲストにビールを楽しんでもらいたいカップルが選んだ会場は、もとは酒蔵だったという茅ヶ崎のレストラン。ウェディングのテーマは「動物達のピクニック」だそうです。
裏テーマである「お酒を楽しんでもらう」ため、ゲストがリラックスできるよう、ウエルカムボードやテーブルコーディネートなどを柔らかな雰囲気に♪
©hyu-wedding
テーブルフラワーには、ふたりの干支をモチーフにしたテーブルナンバーが。さりげないところに新郎新婦のエピソードが感じられる演出は、手作りウェディングならではですね。
すべてを手作りしなくても、小さなアイテムを上手に取り入れていくのが、手作りウェディングを成功させるコツ。ピクニックランチをイメージしたテーブルコーディネートは、さりげなくギンガムチェックを取り入れたメニューと、コロンとした松ぼっくりの席札がとっても愛らしい!
ある程度プランが決まっている式場でも、席札や席次表などのペーパーアイテムは持ち込みOKなところが多いので、二人の個性をさりげなく演出することができます。
●結婚式+旅!?
家族と旅行ができるウェディング♡
©Umore Wedding
「家族とアットホームなパーティーを手作りしたい!」というカップルが叶えたウェディングは、開放的なビーチを臨む、ビーチウェディング!
ビーチウェディングというと、海外のリゾート地のイメージですが、実はここ、茨城の宿泊施設付きレストランなんです。
©Umore Wedding
テーマはずばり「家族旅行」!
プライベート感のあるレストランを選び、そこかしこに「旅」をイメージするアイテムをちりばめた演出は、「ゲストをいちばんに楽しませたい!」という、新郎新婦のおもてなしの心が詰まっています。
©Umore Wedding
会場には、たっぷりの花をあしらってゲストをお迎え。開放的なビーチの雰囲気に合わせた、まとめすぎない抜け感のあるフラワーアレンジが素敵です。
※ガーデンウェディングやビーチウェディングなど、屋外でのパーティーは必ず天候のリスクを検討しましょう。ウェディングデザイナーに相談すれば、両天候型のロケーション選びやテントの設置などもアドバイスしてもらえます。
今回ご紹介したのはほんの一例。手作りウェディングにチャレンジする時に押さえたい、3つのポイントをまとめました!
©Umore Wedding
●手作りウェディングを叶える! 3つのポイント
1) 「テーマ」を決める!
事例でもご紹介したように、「ピクニック」「家族旅行」など、最初にひとつテーマを決めてみましょう。アイテム選びや演出に、まとまりが出ますよ。
2) ゲストをおもてなしする気持ちを忘れずに!
自分たちが主役のウェディングは、つい、夢を詰め込みたくなりますよね。思い切り自分たちらしく演出するのはもちろん良いことですが、結婚式は家族やゲストに感謝の気持ちを表す場でもあることを覚えておきましょう。みんなが楽しめる雰囲気のパーティーは、きっと、自分たちにとっても一生の思い出になるはず。
3) 遠慮なく、プロの手を借りよう!
「手作りウェディングをやってみたいけれど、どうしたらいいかわからない……」 そんな人は、藤本さんのようなウェディングデザイナーに相談するのもおすすめ! 初めてだらけのイベントは誰もが迷うもの。プロのノウハウを生かすことで、より思い出に残る1日が演出できるはずですよ。
結婚式は、自分たちが主役だけれど、家族やゲストに今までの感謝と、これからもよろしくというメッセージを伝える場でもあります。
みんなが心から楽しんで、祝福してくれる雰囲気を作ることが、新郎新婦にとっても何よりうれしいことですね。
あなたも、自分の得意分野を磨いて、気持ちが伝わるオリジナルな結婚式を演出してみませんか?
アイデア次第で、自分たちらしい個性いっぱいの式を実現できる手作りウェディング。でも、自分たちらしさってなんだろう……? 迷ったときは「結婚式スタイル診断」で、まずは自分のタイプを把握してみましょう。あなたにおすすめのウェディングスタイルとは……?
藤本 優(ふじもと ゆう)さん
自らの結婚式を経てウェディングに可能性を感じ、都内デザインチームのマネージャーを勤める傍ら立原綾乃ウェディングスクールを第一期生として卒業。
「結婚式は、お世話になった人々におもてなしをする機会であり、新郎新婦自らが作り出す空間」というスタイルを提案し、ロケーション・テーマカラー・会場デコレーション・ペーパーアイテム、進行などをトータルにデザインする。
取材協力:美肌室ソラ
表参道にあるオールハンドマッサージのフェイシャルトリートメントの専門店。居心地のよい優しい空間で、お肌もココロも癒やされます。
http://bihadasora.com
東京都渋谷区神宮前5-41-1 ヴィラ青葉203
03-6805-0884
営業時間 12:00~21:00 /日曜日・祝日 定休日
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