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2016.01.01

『だめんず・うぉ~か~』倉田真由美さんにインタビュー! 好きを仕事にした彼女の次なる野望は......!?

『だめんず・うぉ~か~』倉田真由美さんにインタビュー! 好きを仕事にした彼女の次なる野望は......!?

自分の好きな「漫画」を仕事にする──そんな、はたから見れば「夢のような人生」を実現している、「くらたま」でおなじみの漫画家・倉田真由美さんに、「好きを仕事にするまでの道のり」「してからの自己分析」そして「新しい自分の可能性」について伺いました。

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『だめんず・うぉ〜か〜』ブレイクの秘密は、
凡人の視点!?

『だめんず・うぉ〜か〜』ブレイクの秘密は、<br>凡人の視点!?</br>

一橋大学商学部卒業後、就職が決まらず、たまたまヤングマガジン・ギャグ大賞に応募したところ、なんとその作品が大賞を受賞! ……と、大好きだった漫画を仕事にできる切符をアッサリ手に入れてしまった「くらたま」こと倉田真由美さん。しかし、あの大ヒット長寿連載漫画『だめんず・うぉ〜か〜』のブレイクまでは、いろいろな苦労もあったんだとか……。


賞をいただいてデビューしたのが23歳。『だめんず・うぉ〜か〜』の連載が始まったのが28歳。その約5年間の下積み時代は、けっこう大変でしたね。漫画家の世界って当たり前の話、賞を獲っても出版社が私たちの生活を保障してくれるわけではないので。

本業の収入は3万円なんて月もザラで、塾の先生や居酒屋の店員、麻雀の打ち子のバイトをやりながら、なんとか食いつないでいました。たしか、この時期に新しい洋服を買ったことは一度もなかったんじゃないかなぁ(笑)?

背景にビルがいっぱいあったり、バイクやクルマを描き込んだりの絶対に嫌な仕事、っていうか自分の画力じゃ不可能な仕事(笑)以外は、すべて来るもの拒まずの状態で引き受けていました。『だめんず・うぉ〜か〜』も、最初はそういう切羽詰まった気持ちで受けた仕事の一つで、正直ここまでブレイクするとは夢にも思っていなかったです。運が良かったとしか言いようがありません。

あえてブレイクの理由を挙げてみるなら、天才肌が多い漫画家さんのなかで、私の凡人としての普通感覚が逆にハマったのではないでしょうか。

例えば、『だめんず』に引っかかる女性って、たいがい相手の男がどこかおかしいということに気づいていなかったりするんですよ。それを「変」だと正確に判断できるのが凡人のなせるワザ。だからこそ『だめんず・うぉ〜か〜』という作品も成立していたと思うんです。天才肌な方々の目には、その「変」も当たり前にしか映らないから(笑)。いずれにせよ、好きな漫画でこの年齢までやってこれたのは、幸せなことだと感謝しています。

自分の「好き」は時間とともに変わっていくもの

自分の「好き」は時間とともに変わっていくもの

現在、2児の母として仕事と家庭の両立に日々奮闘する倉田さん。そろそろ「自分のために、なにか新しい勉強をしてみようかな……」と、うっすら考えていたのだそう。そんな倉田さんが目をつけた、ある資格とは?


漫画家という仕事を長く続けているうちに、自分の「好き」は確実に変わっていく──それだけは「自覚しなきゃ!」と肝に銘じるようになりました。

『だめんず・うぉ〜か〜』を描いているときは、恋愛について私も言いたいことがいっぱいあったから、楽しくお仕事もできていたわけですが、最近は結婚もして、そこに対する興味が薄れてきた……。なので今は、私の「新しい好き」を模索している最中なんです。ようやく子育ても落ち着き始めてきましたから。

実は私、ユーキャンの通信講座一覧を見て、『気象予報士合格指導講座』に、とても興味を引かれているんです。まず、私は根がコツコツタイプじゃなく、気が向いたときに一気に勉強するタイプなので、通信教育という形式が合っている。あと、せっかく新しい勉強を始めるなら、なにかご褒美、獲得感が欲しい。そして、そのご褒美のもっともわかりやすい形は資格だと思うんです。

それに、漫画家はしょせん人気商売だし、夫は私以上に収入が不安定だから(倉田さんの夫は映画プロデューサー兼コラムニスト)、わりと本気で将来が不安なんですよ(笑)。

合格したら、在京キー局は無理にしても、地方のローカル局あたりに『漫画の描けるお天気お姉さん』として売り込みに行く。それでレギュラーでも持てたらラッキー! 絶対に離しません(笑)! 勉強しているプロセスのルポや天気を新しいネタにして漫画も描けるし。さらに天気予報は、他のニュースなどと違って、まだ面白いだとかの新しい要素を盛り込む余地があるという読みもあります。

趣味であっても、学び続ける人は心が豊か

趣味であっても、学び続ける人は心が豊か

20代のころ、「いろんな資格を取ってみる」というルポ漫画を描いていたことがあるんですけど、そのときは、どんな簡単な資格でも、一つ取得するたび、自分の心にハンコを押した気分になれました。ラジオ体操に行くごとにハンコを押してもらえるみたいな、嬉しい気持ちです。

また、なにか一つの目標を目指して勉強するという行為は、単純に気が紛れて、モヤモヤとした不安を吹き飛ばしてもくれます。新しいチャレンジは、別に資格を獲得するような勉強じゃなくてもかまわないと思います。むしろ、ハーモニカだとか俳句といった、趣味を選んで、それを勉強し続けることができる人は本当に心が豊かだと尊敬します。なにかに興味を持ったなら、その興味が消えないうちにどんどん手を出してみるべき! 

私は『気象予報士合格指導講座』以外だと、『デッサン講座』をやってみたい。資格はもらえないけど、美大出身ではなく、漫画家のアシスタントの経験もない私としては、漫画家としての画力へのコンプレックスを少しでも解消したい! 

バイタリティーが特に他人より強いと、うぬぼれてはいませんが、漫画家という仕事を一生好きでい続けるため、極論で言えば漫画以上の「新しい好き」を発見するためには、とにかく動いてみることが一番なのではないでしょうか。自分の環境がガラッと変わってしまうことに対する好奇心と打たれ強さだけには自信がありますから(笑)。

(プロフィール)

倉田真由美(くらた まゆみ)さん/44歳
漫画家・タレント

1971年福岡県生まれ。一橋大学商学部卒業後、就職が決まらず、『ヤングマガジン・ギャグ大賞』に応募して大賞を受賞。ダメ男を好きになる女性たちを描く『だめんず・うぉ〜か〜』のブレイクを皮切りに、「くらたま」の愛称で親しまれ、漫画・エッセイなどの執筆のほかに、テレビ・ラジオ出演、トークショーと多方面で活躍。最新著書『先生、医者代減らすと寿命が延びるって本当ですか?』(近藤誠・共著/小学館)も好評発売中! 現在は2児の母親。

倉田真由美オフィシャルブログ『食べたり食べたり』
http://ameblo.jp/kurata-mayumi/

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