40代になると、学生時代に運動部に所属し体力に自信がある方でも、働き盛りの20~30代において運動をする時間がなくそのまま放っておけば、筋力が低下し基礎代謝が落ち、脂肪も蓄積しやすくなってしまいます。近年の調査では、摂取カロリーの増加よりも、運動をする機会が減っている事が問題視されています。
アメリカ労働省でのデータですが、一日の余暇時間の行動内訳を見てみると、驚くことにスポーツや運動をしている人の割合はたったの6%しかおらず、ほとんどは「動かない」か、「動いても指や腕のみ」なのです。これではなかなか筋力を維持することは難しいと言えます。
また、食事面でも男性はビールや揚げ物、炭水化物などカロリーを摂り過ぎてしまう食物を好む傾向が。外食や夜遅い時間帯の食事など、偏った食生活も決して良くありません。
つまり、運動量の低下と筋力の低下のダブルパンチが、元々摂取カロリーが多い男性において「肥満」の最大の原因になっているのです。
そして男性は特に内臓脂肪が蓄積しやすく、内臓脂肪は病気を引き起こす可能性もあるので、早めに運動や筋力トレーニングの習慣をつけて対策するのがオススメです。
冬は気温が低く、体が体温を維持するために自然とカロリーを消費するので、実は痩せやすい季節。しかし、肌の露出が減ることで安心してしまい、ダイエットへの意識が薄れたり、実際に運動をする機会が減り、食欲が増したりする季節でもあるため、総じて肥満になる人が多くなってしまうのです。
そんな気が緩みがちな季節だからこそ、筋力トレーニングをして、緩んだ身体を引き締め、さらに夏に向けて理想の身体に近づけたいところです。
お腹周りなど、脂肪がつきやすい箇所は、筋力が低下している部位でもあります。よって、その低下している部位を強化し、普段から意識して過ごしているだけで、気になる箇所が引き締まっていきます。
それでは、一番気になるお腹周りに効くエクササイズを紹介しましょう!
ランニングやジム通いは、寒くて外に出たくなくなる冬は続かなくなるケースも多いですが、これなら家でちょっとの時間を使って実践できるのでオススメです。
これは、トレーニングの専門用語で「アイソメトリック」という方法に分類される運動。4つの動きすべてで静止した状態を30秒間維持します。この方法で綺麗な姿勢を作る為の筋肉が鍛えられます。しかも、使われる筋肉が多く、短時間でもかなりの運動量がある為、すぐに身体が熱くなるのを実感できるはずです。
肘の上に肩が来る様にし、後頭部、肩甲骨、尾てい骨、踵を一直線に揃える様に身体を真っ直ぐにキープする。 30秒
肘の上に肩が来る様にし、身体を真っ直ぐにキープ。 30秒
背中と腰とお尻を床につけたまま、手足を伸ばしてキープ。 30秒
肘の上に肩が来る様にし、身体を真っ直ぐにキープ。 30秒
これは、腹筋メニューの王道テクニックの一つです。脚を上げて固定し、上半身を持ち上げます。手を前に伸ばす事で重心が脚の方へ近づく為、上体が起こしやすくなります。そして、6つに割れた「腹直筋」を特に意識して、10㎝の幅で小さく動きます。
コツは、常に肩甲骨を浮かして、おへそを見て身体を丸める事。いきみやすい為、呼吸は止めずに行いましょう。
膝は股関節の上にある状態でキープします。
肩甲骨を開き、肩を浮かして、おへそを見た状態からスタート。
個人の筋力レベルによって、この高さは変わりますので、できるところまで行ってください。
「みぞおち」をおへそに近づけるイメージで行うと良いでしょう。
30回行い30秒休憩して2セット
膝を持ち上げる動作です。脚を持ち上げる時にも腹筋は使われています。この方法では、腹筋だけでなく、「腸腰筋」という筋肉も鍛えられます。現代では特に膝を高く持ち上げる様な動作は行われない為、この腸腰筋が弱っている傾向がありますので、この方法でしっかりとトレーニングすることがオススメです。
動かす方の脚を少し前に出し、浮かせた状態からスタート。
可能であれば、おへその高さやみぞおちの高さまで挙げてもOKです。
姿勢とバランスを維持し、15cm程度の幅で丁寧に動かします。
脚は床につけず、浮かせた状態を維持して行います。
30回行い30秒休憩して2セット
お腹周りの筋肉は持久性が高く、疲労回復も早いので、毎日行っても問題ありません。毎日こまめに行う事で、普段の姿勢が良くなり、気になる箇所の筋肉を意識する様になります。そうする事で、さらに早く効果的に引き締める事ができます。
一日たった5分で良いので、ぜひ体幹トレーニングを日課にして、効果を実感してみてください。
【執筆者プロフィール】
郡勝比呂(こおりかつひろ):All About「ボディメイク」ガイド。一流のパーソナルトレーナーを紹介するサイト『First-Class Trainers』を運営し、年間1000本以上のセッションをこなす、現役のパーソナルトレーナー。ベストボディ・ジャパン2013日本大会のファイナリストの実績を持ち、その後、数々の同コンテストグランプリ獲得者や入賞者を生み出す。