美しいネイルアートを施すネイリスト。「どうしてもアート部分に目が行きがちですが、まず基礎となる“お手入れ”の部分が最も大切です」と、金井先生は言います。
美容院でもカラーリングをしたり、パーマをかけたりする際、もともとの髪の毛がキレイでなければ、仕上がりも美しく決まりませんよね。そのために日々のケアやトリートメントが必要になります。
ネイルも同じで、素敵なネイルアートは、角質やささくれなどのない健康な爪に施してこそ、その美しさを発揮できるのだそう。
つまりネイリストとは、「手全般について、日常のケアが完璧にできるプロフェッショナル」なんです。
ネイルサロンには様々なお客さまがいらっしゃいます。
忙しく働きながらも「少しの間仕事を忘れて、ネイルサロンでくつろぐのがストレス解消」というキャリアウーマンの方。「そのときだけは家事や育児を夫に任せて優雅な気分を味わいたい」という主婦の方……。「どんなお客さまでも、キレイなネイルの仕上がりにはパッと表情を輝かせます。そんなお客さまを見ると、こちらのモチベーションも上がるんです」と金井先生。
人をキレイにするだけではなく、癒しを与えることもできるネイリストという職業。技術はもちろん、人当たりの良さやサービス精神、相手の意をくみ取るコミュニケーション能力などが必要ですが、その分、感謝の気持ちや信頼がダイレクトに伝わる素敵な仕事でもあります。
また、ネイリストは女性が多い職でもあるので、妊娠・出産などで人員が入れ替わりやすく、就職・復職できるチャンスが多いのも特長。初めてでも、働き始めてから平均2、3ヵ月ほどでお客さまを任せてもらえることが多いです。
また、自分でお店を出す際の初期投資もそれほどかからずに済むので、ある程度経験を積んだあとに独立する人も多いそう。
ネイリストになるのに、資格は必須ではありません。ですが、JNECネイリスト技能検定やJNAジェルネイル技能検定などのネイル関係の資格を取得することで、お客さまに信頼して頂けますし、就職活動でも有利になります。
試験には筆記と実技があり、試験内容は技術に関する知識だけではなく、ネイルの歴史や爪の構造や病気など、爪に関するあらゆる問題が出題されます。
実技試験ではネイルケアやカラー、アートやイクステンション(長さ出し)など、様々な技術を時間内で施術することを要求されます。キレイに仕上げることはもちろん、正しい手順や工程で行うという基準があり、独学では難しいと言わざるを得ないでしょう。やはりネイルスクールや通信講座で学ぶのが効率の良いやり方です。
スクールや通信講座は、資格取得のためだけにあるのではありません。未経験者であってもプロのネイリストとして必要な知識や技術を習得し、サロンで働けるまでのレベルアップを目指せるのです。美容院やエステサロンで働く人が、活躍の幅を広げるために学ぶケースも多いですね。