せっかく痩せたのに、肌にツヤがなくなったり、イライラしがちになってしまったりしたことはありませんか?
ダイエットを決意したとき、まず頭に浮かぶのは食事制限。でもカロリーの低すぎる食事や、食べないダイエットの繰り返しは“老け”の原因に!
これは食べずにいると、体が必要なエネルギーを筋肉や内臓から補おうとし、脂肪ではなく筋肉が落ちてしまうから。そうやって筋肉量や基礎代謝が下がり、ホルモンバランスが崩れることで、冷えやたるみ、乾燥などの症状がすすんだり、イライラしやすくなったりするのです。
この状態が続くと、食べないのに痩せにくく、食べると太りやすい体質へとまっしぐら。そのうえ、テストステロンというやる気や自信につながるホルモンが減少し、疲れやすくなるなど、理想とは程遠い結果になってしまうことも……。
では、ダイエットに失敗することなく、メリハリのある若々しい身体をつくるにはどうすればいいのでしょう?
まずは、下記の3つのポイントを守るところから始めてみましょう!
【1】食べないダイエットをやめる
栄養のあるものを適度に食べることがスリムボディへの近道です。理想は一汁三菜。毎食は難しくとも、心がけるだけで結果はかなり違うはずです。
【2】満腹感を得るため、よく噛んで食べる
野菜は大きめにカット&歯ごたえを残して調理するようにすると、自然に噛む回数が増えます。早食いの人は、最低20分かけて食事をとる習慣をつけると、少ない量でも満足感を得られます。
【3】食べる順番に気をつける
最初にスープや野菜を、最後に炭水化物を食べるようにすれば、血糖値の上昇と脂肪の吸収を同時に抑えることができます。
一時的に体重が落ちても、不健康かつ太りやすい体質になってしまえば、元も子もありません。体の機能維持や抵抗力をつけるビタミン・ミネラルを始めとしたバランスの良い食事に加えて、適度な運動を継続して行うことも大切です。
食べないダイエットはNGとはいえ、痩せるためには、やはりある程度の食事制限は必要になってきます。個人差はありますが、一般的に20〜30代女性の基礎代謝は1100〜1200kcal/日。30代男性がおよそ1500kcal前後/日で、何もしなければ加齢に従い、どんどん減っていきます。ダイエット成功の秘訣は、摂取カロリーと消費カロリーのバランス。一日の総摂取カロリーを無理なく減らすには、一食を500kcalに抑えたいところです。
そうは言っても社会人には付き合いもあるし、「いきなり毎食を改善するのは難しい……」という方は、平日のランチから始めてみるのはいかがでしょうか?
ここでは、一食500kcalに抑え、美容やメタボ対策にも効果的なメニューをご紹介します。
*ダイエットにもお肌にもいいランチ♪
鮭のカレー焼き(カロリー176kcal 塩分1.1g)
︎材料(2人分)
・鮭 50g×4切れ
・塩・こしょう 各少々
・カレー粉 小さじ2
・小麦粉 小さじ2
・サラダ油 小さじ1
・オクラ 80g
・レモン 30g
︎作り方
1. 鮭は塩・こしょうしておく。
2. オクラは熱湯でさっとゆでる。レモンはくし形に切る。
3. カレー粉と小麦粉を混ぜ、1に薄くまぶしつけてサラダ油を熱したフライパンで焼く。
4. 皿に盛り、2をそえる。
鮭に多く含まれるアスタキサンチンは高い抗酸化作用を持ち、内臓脂肪を減らすばかりでなく、美肌づくりや老化防止にも役立つなど、良いことずくめ。お弁当との相性も抜群で、ダイエットしながら美肌にもなれちゃう、女子には嬉しい食材です♪ コラーゲンたっぷりの皮も残さず食べましょう。
*メタボなお父さんにおすすめのランチ♪
鶏ささみの中華トマトソース(カロリー215kcal 塩分2.1g)
材料(2人分)
・鶏ささみ 160g
・長ねぎ 40g
・カットトマト(缶詰)200g
・かいわれ大根 10g
A… ・酒 小さじ1強
・おろししょうが 小さじ1強
・片栗粉 小さじ4
・中華スープの素 小さじ1/2
・オイスターソース 小さじ1
・しょうゆ 小さじ1
・揚げ油 適宜
︎作り方
1. 鶏ささみは1本を1/3の大きさに切り、Aをもみ込み約10分おいて下味をつける。長ねぎはななめ切りにする。
2. 鶏ささみの水けをふき、片栗粉をまぶし、170℃の揚げ油でからっと揚げる。
3. 鍋にカットトマト、長ねぎ、中華スープの素、水大さじ1を入れて中火にかけ、野菜に火が通るまで煮る。オイスターソース、しょうゆを加えてさっと混ぜあわせる。
4. 2を器に盛り、トマトソースをかけ、かいわれ大根をそえる。
ダイエット中でも、やっぱり肉を食べたいという男性は多いですよね。そんなときは部位や種類に気をつけましょう。同じ100gの肉でも、鶏ささみ(114kcal)と牛バラ(517kcal)とでは、実に400kcalの差が! 塩分を減らす代わりに、だしをしっかりきかせたり、香辛料や薬味などでアクセントをつければ、満足感も得られるはず。ただし、炭水化物の摂りすぎには注意が必要です。
【ワンポイントアドバイス!】
一食を500kcal以内に抑えればいいことはわかったけれど、摂るべきご飯や野菜の量って大体どのくらい? そんな時に役立つのが、自分の手を秤(はかり)の代わりに使う「手秤り」という方法です。
【一食分のご飯】
自分の両手をすぼめて、その中に入るくらいのお茶碗にふわっと乗る量(左)
【一食分の主菜】
指を閉じた片方の手のひらに乗るくらいのイメージ、厚さは1cm(中央)
【一日に摂るべき野菜の量】
切る前の野菜で、大きく広げた両手のひらにこんもり乗るくらい(右)
目安として覚えておくと便利ですよ。
理想はバランスのよい手作りのお弁当を食べることですが、時には外食もしたいし、時間がなくてコンビニ弁当で済ませることもありますよね。
そんなときもちょっとした心がけで、栄養バランスを整え、カロリーを抑えることができます。
例えば、
・コンビニのお弁当には野菜が不足しがちなので、袋入りのカットキャベツを足す。
・ラーメンが食べたくなっても、塩分量を抑えるために汁は飲まない。
・女性はご飯の量は軽め(100g)にする、男性はご飯を大盛りにしたりお代わりをしたりしない。
ただ、ランチを低カロリーにしすぎたことで、夕方にお腹が空いてしまい、高カロリーのお菓子をつまんだり、カフェで甘いドリンクを飲むとせっかくランチで作ったマイナスのカロリーをしっかり取り戻してしまいます。
無理せずできる範囲で実践してみましょう。
いかがでしたか? 毎食は無理でも、平日ランチの改善ならできそうな気がしてきますよね。ただ細いだけではなく、体の中から美しい、あなたにとっての理想的な体づくりを目指しましょう!
江上智子(えがみさとこ)さんプロフィール
管理栄養士・健康運動指導士。
タニタベストウェイトセンター、社員食堂の業務を経て、現在は、企業や自治体を対象とした特定保健指導や健康教室などを担当している。
また、ベストセラーとなったレシピ本「体脂肪計タニタの社員食堂定食」(大和書房刊)を監修するタニタ栄養士委員会のメンバーも務める。