毎日の家事を、もっとラクに楽しくするための工夫が詰まったブログ「365日のとっておき家事」が人気の三條凛花さん。ブログには、曜日ごとに場所を決めて掃除する「曜日掃除」や、家事のルールや記録を書き留める「家事ノート作り」など、時短しながら効率良く家事を行うためのアイデアが満載です。そんな「家事のプロ」とも言える三條さんですが、実は以前は、とても家事に苦労されていたそうです。
「結婚して、ライフスタイルが大きく変化したことや、これまで1人分だった物が2人分に増えたことなどに対応できなくなってしまって……。もともと家事は嫌いではなかったんですが、急にどこから手を付けていいのかわからなくなってしまったんですよね。部屋が片付かないまま、時間だけが過ぎていくという日々がしばらく続きました」(三條凛花さん)
そんな三條さんに変化が起きたのは、旦那さんの実家を訪ねた時のこと。お仕事をしながら家事も完璧にこなすお義母様が、さまざまな工夫をしているのを目にしたそうです。
「義母は家事について、本当にいろいろな工夫をしていました。今では実践している方も多いかもしれませんが、例えばキッチンであれば、排水口のフタを付けないとか、水切りカゴを置かないとか、掃除がラクになる小さな工夫を、あちこちにしていたんです。そういう日々の工夫が大事なんだと気付いて、私もマネできるところからマネさせてもらいました。
また、一人暮らしの頃に付けていた家事ノートも、家事に生かせるのではないかと思って復活させました。自分の家事のやり方を見直し、試行錯誤して、ようやく数年前から上手く回るようになって、今の形に落ち着きましたね」(三條凛花さん)
そして、家事の中でも、特に掃除をラクにするポイントとして三條さんが重要だと気付いたのが「収納」「道具」「ルール」の3本柱!この3本柱を押さえることで、いつもの掃除が劇的にラクになるそうです。
「掃除が苦手な理由って、大体は『分からないこと』が原因だと思うんですよね。例えば、『掃除の仕方が分からない』『何を使って掃除をすればいいのか分からない』『どこに、どうしまえばいいのか分からない』という感じです。それらを解決すれば、掃除が苦ではなくなり、もっとラクにできるようになると思います。
そして、実は『収納』『道具』『ルール』の3本柱というのは、それらの『分からないこと』を解決するために重要なんです。掃除で『分からないこと』って、大体この3つのうちのどれかに関係しますから」(三條凛花さん)
それでは早速、その3本柱の具体的な内容を、苦手な方が多いトイレ掃除を例に伺ってみましょう。
「収納」「道具」「ルール」の3本柱で、トイレ掃除をどのように変えていけばいいのでしょうか。実際に三條さんが実践している内容を教えていただきました!
収納
床の上に物を置かない
「床に物が置いてあると、それをどかしながら掃除をする手間が発生します。できれば全て棚などに収納したいのですが、掃除用のブラシなどは長さがあって難しい場合も。そんな時は、壁に突っ張り棒を渡し、そこに立てかけるようにして空中収納しましょう。
また同じ理由で、トイレ内にはごみ箱も置いていません。オムツや生理用品などのごみが出た時は、収納にストックしてある防臭袋に入れて、トイレから持ち出して捨てるようにしています」(三條凛花さん)
女性用品はまとめて紙袋に収納
「生理用品やそれを捨てる時に使う防臭袋などの女性用品は、ブルーデーセットとして、まとめて紙袋へ。普段は収納に入れておき、使う時だけ取り出すようにしているので、人目につくこともなく、もちろん掃除の邪魔にもなりません」(三條凛花さん)
道具
女性にも子どもにも使える防臭袋を活用
「『収納』の項目でもご紹介しましたが、ごみ箱代わりに使っている防臭袋は、女性用品にもオムツにも使えて、場所も取らず便利です。臭いが漏れにくい専用の物で、中が見えない色付きの物を選ぶと、捨てる時にも気になりません」(三條凛花さん)
使い捨て掃除道具(ブラシ、シート)を活用
「掃除道具は、使ってそのままトイレに流せる、使い捨ての物を選んでいます。特に、便器の中を磨くブラシ部分などはできれば触りたくないですし、そのお手入れを考えるだけで掃除が嫌になりますよね。そこで、トイレブラシは先が使い捨てでお手入れ要らずの物を使用し、トイレシートも厚手でそのままトイレに流せるタイプの物を選んでいます」(三條凛花さん)
トイレにメモ帳を置く
「メモ帳は、トイレのストック品をチェックするために置いています。週に1度のチェック日を決めて確認していますが、それでも急になくなりそうになることも。そんな時は、このメモ帳に必要になったストック品を書いて、そのまま持ち出せばOK。私の場合は、切り離せるタイプのメモ帳とペンをセットで置いています」(三條凛花さん)
ルール
トイレ掃除の頻度を決める
「これが一番大事なことかもしれません。いつ、どんな掃除を、どんな順番でするのかを、あらかじめ決めておくだけで、掃除がグッとラクになるんです。私の場合は、トイレは『毎日』『週一』『月一』の3つの掃除に分けて、それぞれでやることを決めています。
『毎日』の掃除は、トイレに入る度に、気になった所をトイレットペーパーで拭くだけです。トイレは意外とホコリが溜まりやすいので、床、便器の外側、トイレットペーパーホルダーの上など、その時に気付いたところをサッと拭きます。これだけで、『週一』の掃除のラクさが全然違ってきます。そして、『週一』の掃除では、ブラシやシートを使ったトイレ掃除をし、『月一』の掃除では、換気扇のフィルターに溜まったホコリの掃除をしています。
大事なのは、掃除をする日の目安を設定すること。まずは一度設定してみて、うまくいかなければ、やりやすいように少しずつ変えていけばいいと思います」(三條凛花さん)
掃除はいきなり始めない
「料理であれば、事前に手順を確認したり下ごしらえをしたりするのに、掃除となると、いきなり始めてしまう方も多いですよね。すぐに始めるのはいいことのように思われるかもしれませんが、それが逆に掃除を面倒にしていることもあります。掃除も、必要な道具を揃えたり動線や段取りを確認したりするなど、しっかりと下準備をすることで、短時間で効率良くできるようになるんです。
私の場合は、掃除に使う道具や手順を、忘れないようにノートにまとめてあるので、最初にそれを確認します。もしも、ノートにまとめるのが面倒なら、トイレ掃除でやることを書いたカードを作って、トイレに置いておくのでもいいでしょう」(三條凛花さん)
ストック品はチェック日を決める
「『道具』の項目でもご紹介しましたが、トイレットペーパー、生理用品、掃除道具などのストック品の状況をメモ帳に書いて、週に1度のチェック日を決めて確認しています。そうすることで、『気付いたら、もうない!』ということが、だいぶ防げるようになりました」(三條凛花さん)
「収納」「道具」「ルール」の3本柱を見直すことで、「トイレ掃除に掛かる時間が格段に減りました」と三條さんは言います。
「この3本柱をベースに掃除をする環境を整えたことで、とにかく取り掛かる面倒くささが解消されました。掃除がスムーズに、ストレスなくできるようになったのはうれしいですね。短い時間で手早くできるようになったので、時間に追われている感覚がなくなり、子どもと過ごせる時間も増えたような気がします」(三條凛花さん)
「掃除がどうも苦手で……」という方は、ぜひ「収納」「道具」「ルール」の3本柱から、毎日の掃除を見直してみてはいかがでしょうか。
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