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2017.05.19

踊り字の「々」や「ゝ」は漢字?記号?意外と知らない踊り字の豆知識

踊り字の「々」や「ゝ」は漢字?記号?意外と知らない踊り字の豆知識

「正々堂々」の「々」や、「こゝろ」の「ゝ」は踊り字と呼ばれます。この踊り字は漢字に該当するのでしょうか?それとも記号に該当するのでしょうか?今回は、意外と知られていない踊り字の豆知識をご紹介します。

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踊り字=固有の音・意味を持たない記号

「々」や「ゝ」などの文字には正式な読み方はありませんが、「踊り字」「繰り返し符号」「送り字」「重ね字」「畳字(じょうじ)」「反復記号」などと呼ばれています。

繰り返し符号と呼ばれることからも分かるように、記号の一種です。「踊り字」「繰り返し符号」などの項目で、「々」や「ゝ」を取り上げている辞書もありますが、固有の音・意味を持たないので、漢字ではありません

踊り字の読み方と使い方

踊り字の読み方と使い方

一字を繰り返すときに使う「同の字点」「一の字点」「二の字点」

「々」は、「同の字点」もしくは、「ノ」と「マ」が重なって見えることから「ノマ点」と呼ばれます。「段々(段段)」「時々(時時)」のように漢字を繰り返すときに使います。この「同の字点」は日常生活でも使用機会の多い踊り字です。

「一の字点(一つ点)」とは、「ゝ」「ゞ」「ヽ」「ヾ」のことで、「こゝろ(こころ)」「すゞめ(すずめ)」「マントヒヽ(マントヒヒ)」「シヾミ(シジミ)」のように表記します。
「ゝ」「ゞ」はひらがなを繰り返すときに用い、同じ字を繰り返す場合は「ゝ」、濁る場合は「ゞ」を使用します。一方、「ヽ」「ヾ」はカタカナを繰り返すときに用い、同じ字を繰り返す場合は「ヽ」、濁る場合は「ヾ」を使用します。

ほかにも、「ゝ」を上下に2つ組み合わせた形の「二の字点」(「ゆすり点」)という踊り字もあります。漢字よりやや小さく右下に書き、使い方は「々」と同様です。現在は、代わりに「々」を使うことが一般的です。

二字以上を繰り返すときに使う「くの字点」

画像のような「く」「ぐ」といった踊り字(※文字化けの可能性があるため、実際の記号ではなくひらがなで代用しています)は、「くの字点」と呼ばれます。

基本的には縦書きで使用するのが一般的ですが、どうしても横書きしたい場合は「/」「\」「/゛」(※文字化けの可能性があるため、実際の記号ではなく別の記号で代用しています)を使用して、「いろ/\(いろいろ)」「こま/゛\(こまごま)」「たび/\(たびたび)」「知らず知らず(知らず/\)」などと表記することがあります。

踊り字を使うときの注意点

文字の繰り返しに使用される踊り字ですが、注意すべき点があります。

例えば、「民主主義」を「民主々義」と表記することはできません。なぜなら、踊り字は「ひとつの単語を繰り返すときに使う」というルールがあるからです。「民主主義」は「民主」と「主義」の2つの単語からなる言葉ですが、同じ「主」でも意味の違う語句としての働きがあります。

また、フォーマルな文章では踊り字を使わない方が良いという意見もありますが、「佐々木」という姓や「代々木」という地名のように、「々」を使うことが正式な場合に限っては、使用しても問題ありません。

ただし、踊り字を使用するときは、文章を読む人のことを考慮することが大切です。たとえばくの字点や二の字点は機種依存文字のため、パソコンやスマホの機種によっては文字化けしてしまいます。特にこだわりがなければ、このような踊り字の使用を控えた方が良いかもしれません。

海外でも使われる踊り字「ノノ字点」

海外でも使われる踊り字「ノノ字点」

踊り字は日本だけに見られるものではありません。

たとえば、前の行と同じ数字や語句を繰り返す際に使用する踊り字「〃」は、「ditto(同上という意味)」「ditto mark」という呼び方で海外でも使われています。ちなみにこの踊り字は、日本では「ノノ字点」「同じく記号」などと呼ばれます。ほかにも、「テンテン」「チョンチョン」と親しみやすい形で呼ばれることもあります。

踊り字の使い方を理解して使いこなそう

今回は踊り字の豆知識をご紹介しました。踊り字には正式な読み方はありませんが、使い方が決まっています。踊り字を使う際は、正しい使い方を守るようにしましょう。

  
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