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2019.12.05

ティータイムをもっと豊かに!日本茶から中国茶まで、個性豊かなお茶の楽しみ方

ティータイムをもっと豊かに!日本茶から中国茶まで、個性豊かなお茶の楽しみ方

種類が豊富で、それぞれの持つ個性的な味や香りが楽しめるお茶。身体にうれしい健康効果やダイエット効果も期待でき、愛好家も増えているようです。よりおいしくお茶を淹れるコツやより楽しむための作法、さらにはコンビニでも買える身近なスイーツと相性の良い組み合わせなどをご紹介します。

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お茶の種類と特徴、そしてうれしい効能とは?

お茶の種類と特徴、そしてうれしい効能とは?

「お茶の種類は茶葉が持つ酸化酵素の働きによる発酵度で大別されます。発酵度の低い順に緑茶、白茶、黄茶、烏龍茶、紅茶、黒茶の6種類に分類できます。全てのお茶はカメリアシネンシス(Camellia sinensis)という同一の木から採取されているのですが、栽培する地域や木の品種が異なることで茶葉に多様性が生まれ、また製造方法の違いによってさまざまなお茶が生産されるというわけです」(久永佳子さん)

緑茶

日本ではお馴染みのお茶。葉を摘んですぐに酸化酵素の働きを止めています。摘みたてのフレッシュな香りと味わいが特徴です。

白茶

わずかに発酵させたお茶で、葉を揉まずに作るため白い産毛が残っており淡い味わいが特徴。体内の余分な熱を取ってくれると言われています。

黄茶

悶黄(もんおう)という黄茶ならではの工程により、黄みがかった茶葉・茶湯になるのが特徴。少しだけ発酵させているので緑茶に近い味わいですが、独特の風味もあります。

烏龍茶

緑茶から紅茶の間で発酵させるため、緑茶に近い味わいのものから紅茶に近い味わいのものまで多彩な種類が楽しめるお茶。萎凋(いちょう)という工程により、花や果物のようなさまざまな香りが引き出されています。

紅茶

イギリスで発展した紅茶ですが、発祥は中国の福建省。全発酵のお茶ならではの渋味や果実のような香りを楽しめます。

黒茶

微生物の力によって発酵させる、最も発酵が進んだお茶。プーアル茶が代表的ですが、高知県の『碁石茶』や富山県の『バタバタ茶』など、日本にも黒茶に分類されるお茶があります。

さて、そうなると気になるのが成分や効能など。発酵度で分類される6種には、それぞれに違いがあるのでしょうか?

「お茶の主成分であるカフェイン、テアニン、カテキンによる効能は基本的に変わりませんので、好きなお茶を好きな時に味わうのが一番です」(久永佳子さん)

脂肪や糖の吸収を抑える効能が期待でき、腸内環境を整え免疫力をアップさせることで風邪予防や代謝促進、生活習慣病予防にも良いとされるお茶。どれを選んでも一定の効果・効能が得られる優れものと言えますね。

おいしく飲める!お茶の正しい淹れ方

おいしく飲める!お茶の正しい淹れ方

お茶の香りや味を決定付けるのは「茶葉の量」「お湯の温度」「お湯の量」「浸出時間」の4つ。お茶の生産者が最もおいしい淹れ方を熟知しているので、まずは購入した茶葉についてくる説明書通りに淹れることが大切です。その上で、より自分の好みの香りや味にしたい場合は、前述した4つのどれかを変化させると良いでしょう。

「例えば、渋めのお茶が好きな人は、高温でカテキンを多めに出す方法がおすすめです。逆にうま味の引き立ったお茶を楽しみたい時は、ぬるめのお湯を使用しカテキンの抽出を抑えましょう。そうして『廻し注ぎ*』によって急須の最後の一滴まで注ぎきり、個々の湯呑みすべての量と濃さを均一にします」(久永佳子さん)

廻し注ぎや最後の一滴まで注ぎきるというのは、お茶の基本的な作法で、急須にお湯を残さないことで茶葉が蒸れ過ぎたり開き過ぎたりせず、二煎目以降もおいしく飲むためのものです。
ちなみにほうじ茶は一煎で茶葉を変えた方が良いとされていますが、煎茶は三煎、烏龍茶は七~十煎、プーアル茶も十煎以上楽しめるとされています。

『廻し注ぎ』

ティータイムをもっと豊かに!日本茶から中国茶まで、個性豊かなお茶の楽しみ方

上記の順序で少しずつ急須のお湯を注ぎ、最後まで注ぎきると同じ濃さで淹れることができます。
また、お湯の温度の目安としては、器に移すごとに5~10℃温度が下がると考えると簡単です。沸騰したやかんのお湯が100℃、ポットに移したお湯が90℃、それを湯呑みに注いで80℃、茶葉の入った急須に移して70℃。そうすることで飲み頃の温度になるのです。

意外と合う!?手軽なコンビニスイーツとお茶の相性を比較

おいしいお茶を淹れたら一緒に楽しみたいのがスイーツです。最近はさまざまお菓子がコンビニで手に入るようになりました。お手軽なコンビニスイーツがより引き立つお茶はあるのでしょうか?お茶のプロの視点で飲み比べて、コンビニスイーツに合うお茶を紹介していただきます。

【大きな桃の果実が入ったフルーツゼリーとお茶の相性】

ティータイムをもっと豊かに!日本茶から中国茶まで、個性豊かなお茶の楽しみ方

選んだのはジャスミン茶、凍頂烏龍茶、ほうじ茶の3種。

ジャスミン茶(花茶)……◎

ジャスミンの華やかな花の香りが、ツルンとして冷たくみずみずしいフルーツゼリーに合わさると相性抜群!ジャスミン茶のベースとなっている緑茶がゼリーの甘さをさっぱりさせる効果もあり、若葉のような爽やかな香りと後味の清涼感が調和し、華やかさが増します。

※花茶は6種類には分類されず、お茶に花弁の香りをつけたものを指します。たとえば、同じ「ジャスミン茶」でも、ジャスミンの花弁の香りを緑茶につけたもの、白茶につけたものがあります。

凍頂烏龍茶(烏龍茶)……○

パッと明るくなるような華やかな香りと、軽やかな味わいが人気の台湾茶。フレッシュ・ドライいずれのフルーツとの相性も良いので、フルーツゼリーとの相性もピッタリです。爽やかさの相乗効果でお茶とスイーツ両方のおいしさを引き立ててくれます。

ほうじ茶(緑茶)……△

緑茶を高温焙煎することで成分が変化し、苦味と渋味がやわらぎ、ホッとするような香りが生まれるほうじ茶。フルーツゼリーと合わせると個性を打ち消し合い、ややおとなしい雰囲気に。疲れている時、体調がすぐれない時には、あえてこのようなフラットな味わいを生む組み合わせで落ち着くのもおすすめです。

【コンビニスイーツの定番!豆大福とお茶の相性】

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選んだのは和紅茶、煎茶、玄米茶の3種。

和紅茶(紅茶)……◎

重厚な味わいの和紅茶は、香りより旨味が際立つところに日本茶らしさを感じます。ほのかな甘味と心地良い渋味が特徴で、その分、和菓子との相性は抜群。“あんこに負けない力強さ”があるので、どら焼きやおまんじゅうなどとも良く合います。

煎茶(緑茶)……○

まろやかな旨味・甘味と、ほど良い渋味・苦味が調和した煎茶。大福のもっちりとした食感はたっぷりと小豆の甘みを感じさせてくれるので、煎茶を合わせることで、甘すぎず・渋すぎずのちょうど良いバランスになります。

玄米茶(緑茶+玄米)……〇

煎茶や番茶に炒った玄米をブレンドした玄米茶は、こんがりとした香ばしさが魅力。
大福のもっちりした食感と緑茶ならではのさっぱりとした飲み口、しっかりした甘味と香ばしさに隠れたほどよい渋味が調和して、次の一口をよりおいしく感じさせてくれます。

【カスタード&ホイップのダブルシュークリームとお茶の相性】

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選んだのは抹茶、棒ほうじ茶、プーアル茶の3種。

抹茶(緑茶)……◎

意外にも生クリームやカスタードクリームの味わいを引き出し、後味をさっぱりさせてくれる抹茶。
重たい組み合わせかと思いきや、コクのあるほろ苦さとクリーミーな甘味が調和します。シェーカーなどを使って作る“冷たい抹茶”と合わせるのもおすすめです。

棒ほうじ茶(緑茶)……〇

葉ではなく茎の部分を使うことから茎茶とも呼ばれ、さっぱりと軽やかな飲み口が魅力。加賀棒茶など、最近は市販や通販でも多く見られ、気軽に買えるお茶です。茶葉を焙じた香ばしさは、ふっくら焼き上げられたシュー生地との相性もぴったり。ほうじ茶ラテを飲んでいる時のようなリラックス感が味わえます。

プーアル茶(黒茶)……〇

プーアル茶の独特のまろやかさと深みは、重みのあるスイーツとよく合います。口の中をさっぱりさせてくれるので、甘さたっぷりで乳脂肪分も含むシュークリームにぴったり。プーアル茶に含まれる成分が脂肪吸収を抑え消化を促進し、胃もたれしにくい安心感もあります。

ティータイムをさらに楽しもう!

ティータイムをさらに楽しもう!

「6種類に分類されるお茶ですが、発酵度の高いお茶ほど体を温めると言われています。中国では体内の余分な熱を取ってくれるということで、暑い季節や微熱がある時に白茶を飲む習慣があります。日本に暮らす私たちの工夫としては、食事の時には緑茶を飲み、寒い夜長には紅茶やプーアル茶で体を温める、というのが賢い選択です」(久永佳子さん)

カフェインを摂ると眠れなくなるという方は、ぬるめのお湯で淹れてカフェインの抽出量を抑えたり、茶葉の量を減らして薄めに淹れると良いでしょう。黒豆茶や麦茶などノンカフェイン茶もおすすめです。また最近は茶葉を熱してその香りを楽しめる「茶香炉」が100円ショップでも購入できるようになりました。家で簡単にお茶のアロマが楽しめますので、リラックスしたい時にさまざまな茶葉で茶香炉を試して、“自分の好きな香り”を見つけてみてはいかがでしょうか。

「最近は自宅に急須がない方も増えているようです。この機会に急須を買ってみたいという場合は、小さめの磁器の急須をおすすめします。磁器は吸水せずにおいがつきにくいため、一つあればすべての茶葉に対応できてお手軽ですよ」(久永佳子さん)

もちろんティーバッグがあればカップ一つで楽しむこともできますが、“お湯を沸かしている間に茶葉を選んで急須に入れる”、そんなちょっとした動作が生活に加わるだけで、ワンランク上の時間が過ごせそうですね。

取材協力
久永佳子(ひさながけいこ)さん
留学先の中国・北京で出逢った中国茶の種類とおいしさに感銘を受け、中国茶道を学ぶ。帰国後はその感動を多くの人へ伝えるべく、健康茶を含む中国茶の商品企画、OEM商品を企画、販促業務などに携わる。
  
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