夏休みの旅行は、暫定世界遺産でブームを先取り！

「世界遺産暫定リスト」の正体は、世界遺産が決定するまでの経緯を追うとわかってきます。まず文化遺産であれば文化庁、自然遺産であれば環境省か林野庁が「登録を目指す物件」を選定。次に、この「登録を目指す物件」のリストを作ってユネスコ世界遺産センターへ提出し、準備が整ったものから順次推薦し、世界遺産委員会で「世界遺産」が正式に決定されます。そう、この「登録を目指す物件」のリストが「世界遺産暫定リスト」なんです。つまり、リストに載っている＝世界遺産になる可能性が高いということ。混雑する前に先取りして、ひと足先に、その価値を堪能しちゃいましょう。

それでは、世界遺産暫定リストに掲載されている中から、観光にも便利で、国内旅行にオススメの厳選4スポットをご紹介します。

1. 古都鎌倉の寺院・神社ほか

2. 飛鳥・藤原の宮都と関連資産群

奈良県明日香村・桜井市・橿原市に広がる「飛鳥・藤原の宮都と関連資産群」は、6世紀末から8世紀初めにかけて、天皇を中心とした「日本国」誕生の様子に触れることができるスポット。藤原宮跡など律令国家の中枢である宮殿、飛鳥寺跡など国家宗教としての仏教寺院、高松塚古墳など新しい墓制の成り立ちが見られる遺跡……と、いくつもの遺跡が世界遺産の構成資産（※）候補になっています。大阪・京都から電車で1時間、名古屋からでも2時間というアクセスの良さもポイントです。

3. 百舌鳥・古市古墳群

大阪府堺市・羽曳野市・藤井寺市に広がる「百舌鳥・古市古墳群」は、4世紀後半から6世紀後半にかけて形成された古墳群です。墳丘長486m、国内最大の古墳こと仁徳天皇陵をはじめ、200mを越える巨大な前方後円墳が11基も周辺に集中しています。他にも、大小様々な形の古墳が見られる貴重な場所。大阪市内の主要な駅からは電車で30分～1時間程度で行くことができます。

4. 長崎の教会群とキリスト教関連遺産

「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」は、450年以上にも及ぶ、日本におけるキリスト教の伝播と浸透のプロセスを示す歴史的遺産です。長崎市の大浦天主堂をはじめ構成資産（※）となっている教会は、国宝や国の重要文化財に指定されており、建築の美しさも一見の価値あり。そのほか、あの「島原・天草一揆」の舞台となった原城跡なども構成資産となっています。資産は離島を含む県内各地に点在していますが、近接する資産もあり、レンタカーなどを利用すれば効率よく巡ることもできます。

※ 構成資産とは……世界文化遺産になりうる対象の「顕著な普遍的価値」を具体的に証明するものとして選ばれた資産のことです。例えば、世界文化遺産である富士山の構成資産には、富士山信仰の拠点や信仰に関わる宗教行事を行う場として河口浅間神社、冨士御室浅間神社などがあります。

世界遺産暫定リストは、いわば世界遺産の金の卵。訪れれば、世界遺産に負けず劣らぬ、感動体験ができるでしょう。

また、世界遺産は歴史や成り立ちを知ることで、その真の価値に触れることができます。世界遺産暫定リストがきっかけで世界遺産に興味がわいたら、世界遺産について学んでみてはいかがでしょうか？今までは見るだけだった世界遺産も、学ぶことで今まで知らなかった歴史背景や深い知識が身につきます。旅行先でも会話が膨らみ、グッと楽しくなるはず！