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2017.07.28

転職のプロに聞いた!転職で成功する人、失敗する人の「差」とは?

景気が回復する中、企業の採用状況に変化はあるのでしょうか。世界最大の人材サービス企業アデコのSpring転職エージェント長井綾子さんに、転職市場の最新トレンドを伺いました。今、求人に積極的な業界や、転職時に求められるスキル・人物像についてお話しいただきます。

  • シゴト

転職市場は上向き!特に伸びている業界は?

現在は景気が上向きになってきていると言われていますが、転職市場にその影響はどのように表れているのでしょうか。転職エージェントの長井綾子さんにお話を伺いました。

「リーマンショック以降、2013年までは求人数が落ち込んでいたのですが、それ以降は全体的に伸びてきています。特に伸びている業界は、IT系ですね。ウェブ系の企業やアプリのサービスを提供する企業などの求人が増えてきています。職種を問わず募集があり、先方から採用に関するご相談をいただくことも多くあります。

社内にシステム担当部署を新設する企業が増えていたり、SIer(※1 エスアイアー・システムインテグレーター)企業が積極的に採用を行っていたりと、ITの中でも特に開発エンジニアに対するニーズは一貫して高い状態です」(長井さん)

※1:顧客の業務を把握し、情報システム面の問題を解決するために企画・設計から、開発・運用までを統合的に行うIT企業のこと

「転職は経験者を前提とした求人が多いのですが、中には未経験者でも応募できるITのインフラ系エンジニア(※2)の募集や、営業経験がなくても接客経験があればチャレンジできる営業職の求人などもありますよ。

未経験者が人事担当者から見られるポイントとして、例えば営業の場合なら『人柄』『やる気』『数字に対する意欲』などが挙げられます。

システムエンジニアなどに必要とされる専門知識は、やる気さえあれば後で覚えられると考えている企業も多いです。それよりも、対人スキルや、周りを巻き込んでチームでしっかり動けるか、自分のミッションに対する責任感があるかなどを重視している企業が多いですね」(長井さん)

※2:ネットワーク、サーバー、セキュリティなどの領域を担当するエンジニア

転職先が「すぐ決まる人」と「決まらない人」の差は?

「転職エージェントを通じて転職活動を行う人で、転職先がすぐ決まる人と決まらない人の一番の差は、『軸があるか』だと思います。

例えば転職理由について『なぜ今の会社を辞めたいのか』『どうして環境を変えたいのか』『転職してどうなりたいのか』といったことが、はっきりしていない人だと、なかなかスムーズに決まりません。たとえ内定が出たとしても、その人の中で判断の軸がはっきりしていないと、最終的な決断をご自身でできない場合が多いです。

転職は、仕事の内容、やりがい、給与、労働環境、職場の人間関係など、様々な観点から考えて総合的に判断するものなので、自分が判断する軸を明確にするのは簡単ではないかもしれません。しかし、なぜ給与を上げたいのか、環境を変えたいのか、ワークライフバランスを整えたいのかなど、自分がそうしたいという『根っこの部分を掘り下げていくこと』で、自分の軸が見えてくると思います」(長井さん)

転職するのに適切なタイミングは?

「職務経歴書を作ってから転職するまでは、1ヵ月半ぐらいで決める人が多いです。転職を意識してから、具体的なアクションを起こすまでの期間は、もう少し長いかもしれないですけどね。

転職のタイミングは、何を目指して転職するのかによって異なります。未経験職種に挑戦し基礎からキャリアを築きたいのであれば、決断したらなるべく早いうちに、というのが理想的です。一方、同職種への転職で仕事の幅を広げることを目指すなら、一定の経験と実績が問われます。すぐに転職するのではなく、身につけておくべきスキルを磨き、周りの期待を超える成果を積み重ねておくことが、面接での大きなアピールになります。

また、一般的に春と秋は求人が増えると言われていますが、多くの企業にとって期末にあたる2、3月は、内定が出やすいということもあるかもしれません。年度の切り替えに伴う組織体制の整備や退職者の後任補充に向けて、採用活動が活発になります。また、年間の採用人数目標や予算が決まっていて、なんとか期末までに内定を出したいという企業もあります。この時期は、業種・職種問わず幅広い求人があるため、自分の希望がかなう企業に出会えるチャンスが広がっています」(長井さん)

採用担当者から評価される知識やスキルとは?

「一般的に、幅広い職種で評価されるのは、簿記の資格です。財務諸表を理解し経営状況を読み解くスキルは、ビジネスパーソンとして実用性があります。簿記の試験で学んだ知識は、経理・財務関連職はもちろん、事務、営業、マーケティングなどでも活用できるので、転職先の選択の幅を広げることができます。

それと、英語をはじめとする語学力がある人は、断然有利になりますね。英文事務、貿易事務、秘書といった職種の転職では、TOEICのスコアや、実務経験の有無が評価されます。これらの職種以外でも、昨今のグローバル化に伴い、英語を必要とするビジネスの局面は増えています。今後、高い語学力を持つ人材の採用ニーズは、ますます広がっていくと思います。

重要視されるスキルと言えば、コミュニケーション能力を評価する担当者が多いです。コミュニケーション能力の中でも特に、論理的な思考やしっかりとしたロジックの組み立てができるかどうかが見られている印象です。

また、勉強熱心な人なのかどうかも、判断材料の一つになるでしょう。特にIT系は継続的な情報のキャッチアップが必要な業界なので、新しい知識に対する意欲も重要になってきます。

仮に未経験の職種にチャレンジするとしても、本当にやる気がある人は、すでに自分で何かしらの勉強や情報収集に着手していると思います。いずれにしても、今後の転職市場で求められるのは、より専門性が高い人材になってくる可能性が高いと言えるでしょうね」(長井さん)

これからの時代に求められる人材とは?

長井さんのお話から、これからの時代に求められる人材が見えてきましたね。例えば、簿記の資格を持っていると、経理・財務関連職をはじめ、事務、営業、マーケティングなどでも活用でき、転職先の選択肢の幅を広げる心強い武器になりそうです。またグローバル化に伴い、高い語学力を持つ人材の採用ニーズもますます高まっていくということで、語学力の強化も視野に入れておく必要がありそうですね。

さらに、重要なのはコミュニケーション力。対人スキルを高める、論理的な思考を身につけるということにも、意識を向けておくと良いでしょう。またこれからは、どんな状況になっても対応していけるように、常に自分の知識をアップデートしていく「勉強熱心さ」が評価される時代になってくるとのこと。目標に向かって積極的に学んで、自分を高めていきしょう。

プロフィール
長井綾子さん
長井綾子さん
世界最大(※3)の人材サービス企業であるアデコグループの日本法人「アデコ株式会社」に新卒入社後、一貫してキャリアアドバイザーとしてキャリアを構築。現在は、Spring転職エージェントで、IT業界を専門に手掛けるIT&エンジニアリング紹介部に所属。Webアプリケーション系エンジニア・Webディレクター・Webデザイナー・WebマーケティングといったWeb系専門職種全般のコンサルティングを担当している。
※3:Staffing Industry Analysts 2016、人材サービス企業売上ランキングより

転職を考えたとき、まず行うべき3つのステップとは

「転職しようかな......」と漠然と考えている人も、「転職する!」と決意した人も、まず何から始めて、どんなステップを踏んでいけばいいのでしょうか。キャリアコンサルタントの資格を持つライターの青木典子……

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