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2016.08.17

副業はフラワーアレンジメント!「好き」が本業を支えてくれる

ブライダル情報誌やウェブメディアの編集長を歴任後、現在は独立しメディアコンサルティングの会社を経営する森川さゆりさんは、フラワーアレンジメント好きが高じてパリで資格を取得。現在は本業の傍ら、教室を開催しています。二足のわらじが働く女性の人生にもたらす、良い作用とは?

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「伝説の女性編集長」が会社を辞めたとき

株式会社リクルートでゼクシィ編集長を務めた後、ウェブメディアであるAll Aboutの初代編集長として活躍した、森川さゆりさん。当時は珍しい大手メディアの女性編集長であり、多数のスタッフを抱えて事業拡大に大きく貢献しました。「2009年に独立後、リクルート時代の後輩と一緒に、少人数で身軽さを保ちながらウェブや雑誌の企画提案・編集をしています」と森川さん。これまでの経験と人脈を存分に生かした仕事ぶりに、ベテランの落ち着きが光ります。

会社勤めの時代は、昼夜忙しく働き、深夜タクシーで帰宅する日々。「事業を大きくしたいという思いでひたすら走り続けていた」と森川さんは振り返ります。でも、何十人もの若い女性部下が「お風呂で気を失った」「彼と別れた」などと話すのを聞いて、「私は後進の女性社員へ影響を与える立場にある」と感じたのだそう。生活を変えよう、もうここまでできることはやり切った、そんな思いで22年の会社人生最後の日を迎えました。

退職後に発見した、新しい世界とは

会社勤めを辞めた瞬間、「セレブマダムばりにお稽古をやりました」という森川さん。フリーで仕事をする傍ら、パン作りやお花、ゴルフ、お茶、着付け、ピアノなど、今まで興味はあってもできなかった習い事を片っ端から始めました。すると、サラリーマン時代には出会ったことのない専業主婦の友人ができたり、誘われて京都まで着物を買いに行くなど、会社人生とは異なる文化を感じ、新しい世界をたくさん発見したのだそう。

フラワーアレンジメントと出会ったのは、そんなお稽古ライフの中でのこと。自宅の近くで、気軽なコースにのんびり通ううち、同じ教室で少し本格的にパリでの資格試験を目指す人たちに出会い、「パリに行くんだ、いいなぁとうらやましく思って」と、森川さんも参加を決めたのだそうです。試験を目指す仲間で市場へお花を買いに行って練習し、パリへの渡航もみんな一緒。

「私はそもそもサボテンさえ枯らす女で、花なんて全然詳しくなかったんです。友人が増え、お稽古に行くのが楽しい、という感覚で徐々にのめり込んでいきました。ただ一点挙げるとすれば、フラワーアレンジメントをやっている時は頭が真っ白になる感覚があって、それは日常の中でとても幸せな時間だったんです」(森川さん)

フランス人や日本人のアーティストなど、いろいろな先生にお花のレッスンを受け、技術やセンスを磨きながらふと思ったのは「昔一緒に働いていた後輩たちにいいな、と」。そこで後輩のことを思うのが、森川さんらしい優しさ。知り合いに声をかけ、3、4人の少人数でクリスマスのリース作りや、母の日のアレンジなど、不定期にフラワーアレンジメント教室を開始したのです。

もちろん、現実的なコスト感覚も忘れていません。

「全然ペイしていないですよ。お金をいただくので変なものはできないと十分に準備し、赤字は出さないようにとは思っていますが、花でビジネスしよう、儲からなきゃとは考えていないんです。花ビジネスは、本当に成立させようとしたら生徒さんの集客や場所の確保、早朝の仕入れなど、大変なこと。ですから、知り合いを中心に声かけするような規模で、4年ほど前から延べ20回、毎回違うデザインをテーマに教室を開いてきました」(森川さん)

取材当日はお教室が開催される前日。事務所には、生徒さんが使う花があふれていました。

編集者としての肥えた観察眼と判断力が生かされるとき

「仕事とお花の割合は、9:1くらい。私の活動シェア的には低いんですが、心とからだのバランスを保ってくれると感じています」(森川さん)

教える側になった今も、スクールに通い続けるなどして勉強を続ける森川さんにとって、花の予定をスケジュール帳に入れると「まるで旅行の予定のように楽しみになり、そこに向けて仕事を頑張れる」のだそうです。また、教室を開いてお金をいただくことで、自分の癒しだけではなく、良いプレッシャーにもなっているとか。

「デザインや色彩、手法など、生徒さんに毎回新しい発見をもって帰ってもらおうと考えたり、市場でどの花を使おうかと選んで回ったりするのが、クリエイティブでとてもいい刺激になっています。編集の仕事で培ったことが活かせる場面もたくさんあるんですよね」(森川さん)

これまでの編集の仕事で鍛えられたジャッジの速さや、たくさんのモノやコトに触れて肥えた目など、一見まったく違ったフィールドに見えるフラワーアレンジメントの世界でも、経験がすべて活かせるのだそう。

女性だからこそ、新しいことにチャレンジできる!

人生の大きな転機を振り返って、森川さんは「もっと早い時期にいろいろなことを始めておけばよかった」と感じたのだそう。編集長や取締役の肩書きを持ち、夢中で仕事をしてきたサラリーマン時代はもちろん充実した人生の一場面だったそうですが、様々な世界を覗いて視野が広がった今はそれだけ充実しているのですね。

女性には、転職や結婚や出産など、人生の転機が訪れることがあります。仕事を一生懸命頑張っていると視野が狭くなりがちだけど、今の仕事が全てじゃないし、環境が変わる時に勇気を出して自分の生活スタイルを変えてみると、気づきがある。だから気になることがあるならどんどんチャレンジしてみたらいい。これまで頑張ってきたんだからキャリアやスキルを活かしてできることはいくらでもあるよ、と声をかけてあげたいです」と森川さんは微笑みます。自分の生き方を決めつけ過ぎないことが大切。仕事経験を積んだ現代の女性だからこそ、柔軟な選択ができると自信を持って、凛としてしなやかに生きたいですね。

【取材協力】

森川さゆり(もりかわさゆり)
メディアプランナー
株式会社リクルート入社後、海外旅行情報誌「エイビーロード」編集を経て、国内旅行情報誌「じゃらん」創刊・編集に関わる。その後、結婚情報誌「ゼクシィ」創刊に携わり、副編集長に就任。「ゼクシィ東海版」副編集長兼務後「ゼクシィ」編集長に就任。株式会社リクルート・アバウトドットコム・ジャパンへ転籍。2001年「All About」編集長に就任。 2009年独立し、メディアプランナーに。現在、「プラスビジュー」代表。著書に『なぜか仕事がうまくいく女の秘密77 〜意外と知らない働くルール』(大和書房)などがある。

身近に花のある生活を。
大人の今こそ挑戦したい、フラワーアレンジメント

「フラワーアレンジメントをやっている時間は、日常の中でとても幸せな時間」と語る森川さん。
確かに部屋の中にお花を飾ると、雰囲気がぱっと明るくなったり、気持ちがウキウキしたりしてきます。森川さんのように教室を開催するのは難しくても、身近にお花がある毎日は、今よりもっと楽しいものになるかもしれません。そこで今回は、 自宅のアイテムを使って手軽に始められるフラワーアレンジメントのポイントを、ユーキャン人気講師の落合惠美先生に伺いました。

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