学びのトピック、盛りだくさん。
  • facebook
  • twitter

2016.04.20

【お仕事探訪】今さら聞けない「宅建」資格。どう活躍できるの?

【お仕事探訪】今さら聞けない「宅建」資格。どう活躍できるの?

今、不動産業界から「のどから手が出るほど欲しい」という声が聞かれるのが、「宅建士」の資格保持者。男性向けの資格というイメージですが、意外や意外、女性にもオススメの資格のよう。40代からの正社員就職を考えている人にも、かなり強力な武器になるみたいですよ!

  • シゴト
  • 特集

そもそも「宅建士」ってどんな資格?

そもそも「宅建士」ってどんな資格?

数ある資格の中でも知名度の高い「宅建士」。名前はよく耳にするものの、社会でどんな風に活躍できるのか、具体的に知っている人は少ないのではないでしょうか。

「『宅建士』は、土地や建物を売買したり、貸し借りしたりする方々の間に入って、公正な取引ができるようにするのが仕事です」と言うのは、宅建士の田中謙次さん。大学院在学時に、民法の勉強の一環として「宅建士」を取得。以後15年以上にわたり、宅建試験対策講師として活躍しています。

ちなみに「宅建士」は正式には「宅地建物取引士」といいます。以前は「宅建(宅地建物取引主任者)」という名称だったのですが、2015年に「宅建士」に変更。司法書士や行政書士と同じ士業に格上げされ、社会での重要性も高まっているようです。

田中さんによると、不動産取引において、「宅建士」にしかできない独占業務が3つあるそう。それが「重要事項の説明」「重要事項説明書面の記名・押印」「契約書への記名・押印」です。

「不動産契約時には、物件に関する様々な情報を、買い主や借り主に前もって説明する必要があります。物件の所有者や広さ、万が一契約を破棄した場合のキャンセル料など、物件や取引条件に関する様々な情報を、お客様に詳しく伝えなければなりません(田中さん)」

「宅建士」がいなくては、不動産取引が成り立たないのですね。

「宅建士」が活躍できるのはこんなお仕事!

「宅建士」が活躍できるのはこんなお仕事!

●女性にオススメ「賃貸物件の仲介」
「宅建士」の仕事として一番イメージしやすいのが、不動産屋で行う賃貸仲介業務。賃貸物件を探しているお客様に物件を提案し、現地を案内し、契約を結ぶところまで行います。

不動産業界は男性中心の業界だというイメージが強いのですが、近年は女性の視点を活かした物件を扱って成功している会社もあり、インテリアに興味のある女性にもオススメです。

●達成感の大きい「分譲マンションの販売」
他に力を発揮できるのが、分譲マンションの販売業務。一般的に家は一生で一番大きな買い物なので、お客様とは数ヵ月の長いお付き合いになります。実際に契約を結ぶ際は、「宅建士」の資格を持っている必要があります。

資格を持っていると、最後の契約まで責任を持って担当することができ、喜びの瞬間にも立ち会えるので、達成感も大きいそう。

●業界の花形「不動産の仕入れ」
もう一つの大きな仕事が、「不動産の仕入れ」です。実はこれが、不動産業界の花形だと言われているそう。

「マンション用地や建売用地、中古住宅などを、持ち主と交渉しながら購入します。さらにデベロッパー(開発業者)になると、都市開発や建設計画にまで携われるので、非常にやりがいがあります(田中さん)」

●他にもこんな自由な働き方が
加えて「宅建業免許」を取得すれば、独立開業も夢ではありません。免許があれば、ネット上の物件に買い手や借り手を見つけ、契約手数料を得ることもできるので、より自由な働き方ができます。また、空き家物件に新たな付加価値を付けて売るといった、ベンチャービジネスを行うのにも、「宅建士」の知識が役に立ちます。

40代からの正社員就職にも、かなり有利!

40代からの正社員就職にも、かなり有利!

不動産が資産として重要視されている日本では、「宅建士」は特に需要が高い資格です。加えてここ数年、海外の富裕層が、賃貸の収益物件として日本のマンションを購入するケースが多く、「宅建士」の需要は年々高まっているよう。

また、宅建業者は、1つの事務所につき従業員5人に1人以上の割合で、「宅建士」を正社員で雇わなければならないと、法律で義務付けられています。そのため、「今急成長している企業は、『宅建士』の資格保持者を、のどから手が出るほど欲しがっています(田中さん)」

不動産業界は積極的に中途採用を行う業界で、大手デベロッパーでも、40~50代で正社員として採用されることがあるよう。育休中のママが再就職する際にも、『宅建士』は力強い味方になってくれそうです。

さらにステップアップを目指すなら

「宅建士」と試験科目に共通点が多く、ダブルライセンスを狙う人が多いのが「マンション管理士」です。最近は不動産屋がマンションの賃貸と管理の両方を行うケースが多いため、両方取得すると就職や転職でさらに有利に。

また、「宅建士」と併せて取得するのに、田中さんがオススメするのが「相続診断士」。「平成23年にできた比較的新しい資格ですが、相続が発生したときには、必ずと言っていいほど不動産の問題が発生するので、この資格が生きてきます(田中さん)」

いかがですか? 「宅建士」の合格率は15%前後と決して高くありませんが、田中さんいわく「過去問を徹底的にやれば合格できる」資格だそう。就職や転職市場でかなり強力な武器になる「宅建士」の資格。不動産関連の法令は毎年厳しくなっており、今後さらに資格の重要性が高まると予想されるので、早めに取っておくのが賢いかもしれません。

Text:安本真留美

【プロフィール】

田中謙次(たなかけんじ):宅建士
大学院卒業後、高校教師や資格予備校講師などを経て、宅建士試験対策専門の「株式会社Kenビジネススクール」を設立。宅建試験対策講師として15年のキャリアを持つ。企業研修の講師としても活躍。産業能率大学兼任教員。著書は「うかるぞ宅建士きっちり要点整理」(週刊住宅新聞社)など。

宅地建物取引士(宅建士)
資料請求する
詳細を見る



その他の「お仕事探訪」記事はこちら

【お仕事探訪】
毎日をグッと楽しく「食生活アドバイザー」の知識

一人暮らしで、食事がアンバランスになっていませんか? 「食生活アドバイザー」の資格を持ち、暮らしスタイリストとして活躍している河野真希さんに、 食事や生活周りについてアドバイスをお聞きしました。

続きを読む



【お仕事探訪】
これからますます需要UP!「知的財産」のお仕事

TPP交渉の議題を始め、最近何かと話題になることの多い「知的財産」。知的財産とは、技術やアイデアなどの他、アニメや漫画などのコンテンツ全般を指すことが多いのですが、近年これらの「知的財産権」の価値が急速に見直されているよう。 今あらゆる企業でニーズが高まっている「知的財産」のお仕事について詳しくご紹介します!

続きを読む


●同じ特集の記事をチェック

資格×仕事 特集

「資格を取った後って、どうなるの?」
「どんな風に、仕事や暮らしに活かせるの?」
そんな疑問に答えるために、資格や技能を使って活躍している方たちをインタビュー。あなたの「こうなりたい」が見つかるかも。

  
関連特集
  • 特集特集
  • 資格×仕事特集特集
facebook
twitter
line

不動産取引のスペシャリスト

宅地建物取引士(宅建士)講座

宅地建物取引士(宅建士)講座
不動産売買や賃貸の仲介などに不可欠な国家資格。就職・転職への有効な武器となり、不動産業界のみならず、銀行・信託会社などの金融業界や建設業界などで、幅広く求められています。
資料請求する
詳細を見る
別窓で開く

最近チェックした記事

    あなたにオススメの記事