「整理収納アドバイザー」とは、片付かない原因や問題点を見つけ出し、モノと向き合って根本から問題を解決する「お片付けのプロフェッショナル」。部屋を片付けて終わりではなく、「散らかりにくくて片付けやすい部屋」を作るためのアドバイスをするのが特徴です。
資格には1級と2級があり、1級の合格率は6~7割程度。1級の資格を取ると、整理収納アドバイザーとして活動することができます。
ここ数年、整理収納アドバイザーの資格取得者は年々増加中。従来は、専業主婦の知識やスキルを生かせる憧れの仕事といえば料理研究家だったのですが、ここ数年は整理収納アドバイザーの存在が料理研究家と同程度にクローズアップされています。
また、「エプロン一枚あれば始められますよ」とすはらさんがおっしゃるように、自分の身体ひとつででき、資本がほとんど要らないので、仕事をスタートしやすいのも魅力だそうです。
整理収納アドバイザーの学習で「整理収納の基礎理論」を学ぶことで、誰でも片付け力が身につきます。動線を考えて物の定位置を決めるので、使った物を元に戻しやすくなり、結果として片付いた部屋をキープしやすくなるのです。
整理収納アドバイザーの資格は、つい物を置きっぱなしにしてしまう人や、収納スペースが少なくて物があふれてしまう人など、片付けが苦手なほとんどの人に役立ちますが、中でもオススメなのが子どもを持つママ。やみくもに「片付けなさい」と注意するだけでは、子どもは親の思う通りに片付けてくれないもの。整理収納アドバイザーの学習をすれば、「小さな子でも使いやすい高さは?」「学校から帰って一番最初に行く場所は?」など、子どもの目線に立って収納の下地を作り、無理のない片付けの手順を教えてあげられます。
整理収納について学習すると、家事がラクになるのも大きなメリットです。
部屋が散らかりにくいので、掃除をしやすくなるのはもちろんですが、効果を一番実感しやすいのがキッチン。必要な台所用品を吟味し、作業の流れに沿って最適な場所に配置することで、調理や後片付けが効率良く行えるようになるのです。すはら先生によると、「キッチンに立つのが嫌いだったのに、お料理が楽しくなった」「朝お弁当を作るのが早くなった」という声がよく聞かれるそう。
整理収納のスキルには節約効果もあります。料理では、必要な食材を必要な分量だけ買って無駄なく使い切る習慣が身につきますし、日用品のストックに関しても、安売り時のまとめ買いでなく少量買いのクセが付きます。整理がきちんとできていれば在庫をしっかり把握できるので、同じ物を買ってきてしまう失敗が防げるのです。
また、「家の居心地が良くなると、家でご飯を食べたりTVを見たりすることが楽しくなるので、外出して浪費する機会がグンと減ります」とすはらさん。まわり回って、そんな効果もあるんですね!
整理収納アドバイザーの主な仕事は、依頼主のお宅を訪問して行うコンサルティング。依頼主の困っている点についてじっくり話を聞き、一緒に片付けをしながら、生活スタイルに合った整理収納の方法をアドバイスする仕事です。
ここ数年、「整理収納を外注してもいい」という考え方が広まっており、整理収納アドバイザーの仕事は需要が高まっています。実家の片付けで悩んでいる人も増えているので、資格の将来性はかなり高いと言えるでしょう。
整理収納アドバイザーは特別な仕事でなく、友達に頼まれて片付けを手伝っているうちに、仕事につながっていくパターンが多いそう。すはらさん自身は、過去数百軒のお宅でコンサルティングを行ってきたそうですが、どんなときにやりがいを感じるか尋ねると、「部屋が綺麗になっていく過程で、沈んでいた依頼主の表情が晴れやかに変化するのを目の当たりにするんですが、その瞬間に立ち会えることが嬉しいですね」とおっしゃっていました。
セミナーで講師を任されたり、片付けの様子を公開して整理収納ブロガーとして注目されたりする可能性もあるということで、世の中の需要の高まりとともに活躍の場は確実に広がっているそう。「ブログのアクセス数が増えて、書籍化の夢を叶えたアドバイザーが続々とデビューしています(すはらさん)」。
家の中がスッキリ片付くだけでなく、仕事にもつながりやすい整理収納アドバイザーの資格。取得する価値がどんどん高まっている今、勉強しておくと、あなたの将来の可能性を広げてくれるかもしれません。
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