お歳暮は上司や先輩など、目上の人に「日頃の感謝を示す」ための風習。でも、実際に、「お歳暮」を贈ろうとしたとき、いくらぐらいの品物をどのように贈ればいいか、分からないことは多いですよね。知識やマナーとして、押さえておきたいポイントを以下にご紹介します。
【そもそも、お歳暮の由来は?】
お正月に年神様を迎えるためのお供え物を、親戚または、地域行事などで協力し合う近所の人々の間でやりとりした習慣が起源とされています。我が家を一年間、厄災から守ってくれる神様へ感謝の意を示す風習だったのですね。それがやがて、日ごろお世話になっている方へ贈り物をするようになったわけです。
【お歳暮を贈る相手と、贈り物の相場】
お歳暮を贈る相手は、会社の直属の上司や先輩、恩師、両親・義理の両親、お稽古事の先生などが一般的。ですが、日頃からお世話になっている相手であれば、誰に贈ってもかまいません。贈り物の相場は、贈る相手との関係性などにより金額が上下に変動しますが、一般的には3,000円~5,000円の品が多く選ばれています。
【お歳暮を贈る際のマナー】
お歳暮を贈る時期は、12月上旬から20日頃までに相手の元に届くよう、手配するのがマナー。直接持参して対面でお渡しするのがベストですが、最近は、百貨店からの直送など、宅配を利用することが一般的です。品物には、「蝶結び(ほどいて何度でも結び直せることから、何度あっても良い物事に使う)」の熨斗(のし)をかけます。
お歳暮の品は、相手に喜んでもらえる物を選ぶことが基本です。ここでは贈る相手別に、おすすめの品物の選び方をまとめました。
【上司、恩師には】
普段から「何を好むか」をリサーチしておき、それに合わせて品物を選ぶのが正解。好みに合わせることで、「相手の好みを把握し、それに配慮して贈答品選びが出来る」と、あなた自身の評価もUPすることが期待できるでしょう。リサーチできない場合は、ハムなどの万人受けのする物がベター。なお、商品券や金券など、金額があからさまに分かる物を贈るのは失礼にあたるのでNG。
【両親、義理の両親には】
年配の方は若年層に比べて、どこで買った物かを重視する傾向にあります。自分達では気軽に買う機会がない食べ物が、老舗百貨店の包装紙で包まれて届く……なんてシチュエーションにすれば、「良い物を選ぶセンスがある」と喜んでくれますよ。
【友人、知人には】
気心の知れた友人には、お歳暮として一般的な物ではなく、好みをふまえながらちょっとひねった物を送っても良いでしょう。人気パティシエのスイーツセットや、地ビールの詰め合わせなど、巷で話題・流行の物を贈るのもおすすめです。
お歳暮は、普段お世話になっている人へ感謝の気持ちを伝える良いチャンス。そこに「何を贈ったら喜んでもらえるかな」「相手に気持ち良く受け取ってもらうためのマナーは守れているだろうか」と、ほんの少しの気遣いを加えることで、コミュニケーションがよりよいものになります。
今までお歳暮なんて贈ったことがないな……という人も、今年は改めてお歳暮の良さを見直し、心からの感謝を伝えてみませんか? このように古き良き風習にどんな意味があるのかを学びながら、より豊かな日常生活につなげていきたいですね。
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