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2017.10.11

栄養豊富な秋の味覚。「旬」をより一層楽しむ心得とは?

さんまやきのこ、おいもなど、秋の味覚にはおいしいものがたくさん!旬の食材は栄養価に優れていると言われますが、秋の味覚も例外ではありません。秋が旬の食材について、栄養価や食生活への取り入れやすさ、より一層秋の味覚を楽しむコツなどについて、食と健康アドバイザーの南恵子さんに解説していただきました。

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食のプロが厳選!「いろんな意味でオイシイ」秋の食材5つ

秋はさまざまな食材が実りを迎える季節です。「食欲の秋」とも言われるように、暑さもピークを越えてぐっと食欲が増す人も多いのではないでしょうか。秋に旬を迎える食材のなかでも、味や栄養価、料理で使う際のバリエーションの豊かさといった、あらゆる面で「これはオイシイ!」という食材を南さんにピックアップしていただきました。

その1:栗

秋になると、そのほのかな甘味やほっこりとした味わいが無性においしく感じられる栗。栄養面でもあなどれない食材だそう。

「古くから漢方では、栗は『温性』の食材で身体を温める働きがあるため、血液の循環を良くすることで胃腸を丈夫にすると言われています。また、種実類には珍しく、脂質やたんぱく質、カロリーが低めで、糖質(=炭水化物)やビタミンB1が豊富です。このビタミンB1は、糖質をエネルギーに変える代謝には必要不可欠な栄養素。栗を食べれば栄養回復に役立つと言われたのは、これらの栄養素の働きによるものと言えそうですね。

エネルギーのもととなる糖質はお米に多く含まれていますので、栗ご飯はその栄養素を存分に活用するにはまさにぴったりのメニュー。ビタミンB1やB2を多く含む豚肉と栗を炊き合わせても、おいしく活力アップできそうです」(南さん)

その2:さんま

思い浮かべる人も多い秋の味覚、さんま。栄養価が高いことは言わずと知れていますが、どのような食べ方がオススメなのでしょうか。

「さんまをはじめとする青魚は、DHAやEPAといったn-3系不飽和脂肪酸を含みます。n-3系不飽和脂肪酸は、血流を促し、動脈硬化やコレステロール低下作用などが期待されています。また、DHAは、脳の血流を促し活性化すると注目されています。

不飽和脂肪酸は酸化しやすいため、新鮮なものはお刺身で食べるのがオススメ。また、さんまは内臓に不純物が残りにくいので、焼き魚にすれば内臓も食べることができ、栄養の無駄がありません」(南さん)

その3:ぶどう

秋の果物の代表といえるぶどう。フルーツとして楽しむほかに、食事に取り入れる方法もあるそうです。

「ぶどうの主成分は糖質。ブドウ糖と果糖をほぼ等量ずつ含み、これらの糖は体内で消化酵素などの作用を受けずに、そのまますぐにエネルギーとなるので、疲労回復時のエネルギー補給にぴったりです。

さらにぶどうには、疲労の原因とされる活性酸素を除去するポリフェノールなども含まれています。ポリフェノールは皮の部分に多く含まれているので、皮ごと利用してお肉のソースなどに使うのも良いでしょう。ぶどうが持っている甘味とバランスの良い酸味は、食欲を促すことにもつながります。和食や白和え、酢の物などに使っても、爽やかなおいしさが楽しめますよ」(南さん)

その4:アサリ

春が旬というイメージが強いと思いますが、実は秋も旬。アサリは海水の温度が20度前後になる、春と秋に産卵をするのだそうです。

「海水の温度に影響されるため日本列島の北と南でその時期はずれますが、秋は産卵を控えて身が肥え、おいしくなるんです。

アサリに含まれる栄養素は、おもにたんぱく質やビタミンB群、鉄分や亜鉛、マグネシウムなどのミネラル。たんぱく質を構成するアミノ酸は、旨味を決めるグルタミン酸やアラニン、アルギニンなどを含みます。ビタミンB群は、エネルギー源となる糖質や脂質、たんぱく質などの代謝に必要なビタミンですし、夏の疲れが出やすい秋口に、元気をサポートするには良い食材です。こうした栄養素を無駄なくいただくには、アサリの旨味を活かした汁物や、汁ごと食べられる炊き込みご飯、またパエリアなども良いでしょう」(南さん)

その5:きのこ類

きのこ類はさまざまな料理に相性が良いのも特長。いくつかの種類を組み合わせて料理に使うのも良さそうです。

「しいたけやしめじ茸、えのき茸など、通年出回っていますが、本来は秋が旬。珍しいきのこ類もこの時季に出回ります。きのこ類は旨味や香りがあるものが多く、料理においしさを加えてくれます。

栄養面では食物繊維が豊富で、ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシンなどのビタミンB群も含んでいます。ビタミンB群は水溶性なので、汁物や鍋物、炊き込みご飯などにして、無駄なくいただくのがオススメです。ただ、食物繊維を多く含むので、しっかり噛むようにし、消化不良に注意しましょう」(南さん)

旬の食材は存分に楽しまないと損!

その季節に取れる旬の食材は積極的に摂った方が良いとよく耳にしますが、それはなぜでしょうか。

「旬を迎えた食材は、おいしいことはもちろん、栄養価が高く、そのうえ市場に出回る量も増えるためお値段もお手頃……本当に、良いことずくめなんです」(南さん)

また、旬の食材を使うことで食卓に季節感がプラスされることや、食育といった面でのメリットも見逃せないそうです。

「栗を剥いたり、貝の砂抜きをしたり、面倒な調理作業を必要とする食材もありますが、親子で一緒に作業をしたり料理をしたりすることが、後々振り返ると豊かな思い出づくりになるものです。また、自分で手をかけることで、子どもは好き嫌いがなくなったりもします」(南さん)

「旬なもの」を理解すれば、毎日の料理はもっと楽しくなる!

「今のように通年で何でも揃うと、確かに便利さはありますが、かえって楽しみが薄れるようにも感じます」と南さん。食材の旬を理解し、その時季を待つ楽しさは格別だとおっしゃいます。

「『春になればイチゴ』『夏は真っ赤なトマト』『秋はほくほくの栗』……など、早く食べたいなあと楽しみに『待つ』時間があるからこそ、そのおいしさや楽しみが増えるのではないでしょうか。

わたしも秋に楽しみにしている食材のひとつに柿があります。以前おいしい柿を生産されている農家の方との出会いがあり、柿の摘果や干し柿づくりの体験をさせていただいたのですが、一連の体験を通して『この人のつくる柿なら絶対おいしい』と信頼関係が生まれました。それ以来、時季になると柿や干し柿を送っていただいています。そのみずみずしいおいしさは格別ですし、食材を通して秋の風情をいつくしむことができるのが、やはり『旬』を味わう醍醐味のような気がします」(南さん)

日々忙しさに追われていると見過ごしがちな季節感ですが、日本は美しい四季に恵まれた国。せっかくなら、「オイシイ」旬の食材を食卓に取り入れながら、その季節にしか感じられない風情を感じてみてはいかがでしょうか。

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取材協力
南恵子(みなみけいこ)さん
NR・サプリメントアドバイザー、フードコーディネーター、エコ・クッキングナビゲーター、日本茶インストラクターなどの資格を取得。現在、食と健康アドバイザーとして、健康と社会に配慮した食生活の提案、レシピ提供、執筆、講演等を中心に活動。

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