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2017.05.30

経済評論家・岸博幸さんに聞く! ネットショッピングでの「ポチっと病」克服法

購入ボタンをポチッとするだけで、簡単に欲しいものが買える「ネットショッピング」。その便利さゆえ、お金を使っている感覚が沸きにくく、浪費の原因になってしまうことも......。経済評論家・岸博幸さんに、そんな「ポチっと病」の治し方を教えていただきました。

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現代病のひとつ!? 「ポチっと病」とは

「ポチっと病」とは、ネットショップで欲しいものを見つけると、ほぼ衝動的に購入ボタンを『ポチっと』押してしまう病。必要でないにも関わらず、または、すでに同じようなものを持っているにも関わらず、買い物をくり返してしまう人の状態を指します。
「平たく言えば、ネットショッピング依存症ですね。立派な病気ですよ(苦笑)」と苦言を呈するのは、メディアでお馴染み、新進気鋭のエコノミスト・岸博幸さん。
元経済産業省官僚というキャリアを持ち、日本経済に関する数々の構造改革を立案・実行してきた岸さんは、まさにお金のスペシャリスト! 
今回は、近年若い女性を中心に広がっている「ポチっと病」について、陥りやすい人の特徴や克服方法などを教えていただきました。

「ポチっと病」急増の背景には、長時間のスマホ利用が!

「『ポチっと病』急増の背景には、スマートフォン(以下、スマホ)の普及があります。時間や場所を問わずにネットショッピングができるようになったため、20代、30代の女性を中心に『ポチっと病』になる人が増えているのです。というのも、ネットショッピングはクレジットカードで決済することがほとんど。カード払いの場合、手元の現金が減らないため、お金を使っている実感が沸きにくい。そのため、実店舗に比べて、必要ないものも気軽に購入してしまうんです」(岸さん)

長時間のスマホ利用も、「ポチっと病」を助長している原因だと指摘。

「経済の話から離れますが、米国での様々な研究から、スマホの使い過ぎは人間の脳に2つの悪影響をもたらすことがわかっています。

まず1つ目は、集中力を大きく低下させるということ。スマホを使う際はマルチタスクが当たり前ですよね。同時に複数のサイトやSNSをチェックして、LINEで友人と会話して……と大忙し。人間の脳は環境への順応性が高いため、こうしたマルチタスクをくり返していると、脳は1つの情報で満足せず、常に新たな情報やコンテンツという刺激を求めるようになってしまいます。結果、集中力の低下を招くのです。

そして2つ目は、物事を深く考える力が落ちるということ。
文章の読み方には浅い読み方と深い読み方があるのですが、スマホでの読み方は前者になります。簡単に言えば、流し読みですね。それに対して深い読み方とは、じっくり思いを巡らせながら読み、その過程で思考力を磨いていく読み方を指します。スマホを使い過ぎると自然と浅い読み方ばかりになるため、物事を深く考える能力が衰えてしまうのです」(岸さん)

集中力や物事を深く考える能力が低下すると、何が起こるかというと……。

「言葉は悪いですが、衝動的でバカな行動が増えます。注意力が散漫になり、『これは本当に必要だろうか?』という判断が正常に出来なくなるため、無駄な買い物が増えてしまうのです。そのため、僕は長時間のスマホ利用こそが、『ポチっと病』を引き起こす大きな原因の1つだと考えています」(岸さん)

あなたは大丈夫? 「ポチっと病」になりやすい人の特徴

岸さんいわく、「ポチっと病」になりやすい人とそうでない人には違いがあるとのこと。一体、どのような人がなりやすいのでしょうか?
次のチェックに当てはまる数が多い人は要注意です!

□スマホやパソコンの利用時間が1日5時間以上
□目的もなく、ネットサーフィンをしてしまう
□仕事が忙しく、お店でショッピングをする時間がない
□流行りに弱い
□家計(収入、支出、貯金残高)を把握出来ていない
□マネープラン(お金の面から捉えた人生設計)を考えていない
□生活が充実していないと感じている(ストレスを感じている)

「スマホやパソコンを利用している時間が長い人ほど、陥りやすいと言えますね。暇潰しや気分転換にインターネットを開くと、そこにはネットショップの広告がひっきりなしに表れます。これまでの検索履歴から気になっている商品を表示する広告も多く、目に入ったら最後。我慢出来ずに購入してしまうという人も多いようです。
また、『自分にいくら収入があり、いくら支出しているのか。現在の残高はいくらか。』といったキャッシュフローを把握出来ていない人も、無計画にお金を使ってしまいがちです。そして、マネープランを立てていない人にも同じ傾向が。マネープランとは、未来の自分をイメージし、この先のライフイベントに必要な金額を把握するためのもの。お金に関する長期的な展望を持っていないと、目先の短絡的な散財をしてしまうのです」(岸さん)

「ポチっと病」を克服する5つのルール!

「ポチっと病」が悪化すると、カードの利用金額を支払うため貯金を切り崩したり、必要な生活費を削ってまで買い物をしたりしようとしてしまいます。気づいた時には、多額のカード負債抱えていたというケースも……。ネットショッピング依存症かも? と思ったら、まずは次のどれかひとつでも実践してみましょう。

1.購入ボタンをポチっと押す前に、3秒考える
「衝動買いを防ぐためには、欲しい商品をすぐに購入しないで、本当に必要かどうかを自問自答するのが有効です。たった3秒でも立ち止まる時間を設けることで、思いとどまれる可能性が高くなります」(岸さん)

2.ショップのブックマークやメルマガを解除! 購入意欲をそそる情報をシャットアウト
「新商品などへの好奇心、購買意欲を視覚からシャットアウトすることも有効です。お気に入りのネットショップのブックマークを解除したり、メルマガの配信を停止するなどして、そもそもの閲覧頻度をおさえてみましょう」(岸さん)

3.月の利用額の上限を決める
「収入に見合った割合で、ネットショッピング用の予算を組んでみては? 事前に上限額を設定すれば、それ以上の買い物をすることがなくなります。予算を超えてしまうようなら、翌月に購入すればいいのです」(岸さん)

4.スマホやパソコンの利用時間を決める
「インターネットの利用時間を1日2時間以内にするなどと決めておくことで、際限なく買い物してしまうことを防げます。そうして浮いた時間で、本を読むなどして深い読み方を身につけましょう。税金や年金関連の本を読むのもいいですよ。社会保障制度の厳しい現実を知ることで、いい意味で危機感が生まれるはず(苦笑)。多少なりとも衝動買いが抑制されると思います」(岸さん)

5. 購入品目や曜日を絞る
「購入品目を絞ると、必然的に買い過ぎ防止に役立ちます。女性の場合、自宅の玄関先まで届けてくれるという利点を活かして、お米、水、ビールなど重いものだけネットで購入すると決めてもいいですね。ほかにも、決まった曜日にだけ買い物をするなど、ネットショッピングデーを決めるのも有効な手段だと思います」(岸さん)

6.ウェブ明細でクレジットカードの利用金額をこまめに確認する
「数日前までの利用金額が一覧で表示されるウェブ明細を、こまめに確認しましょう。お金を使い過ぎていることが分かれば、自然と利用を控えるようになるからです」(岸さん)

ネットショッピングの上手な利用法は、マイルールを設けること

「ネットショッピングには、リアルの店舗に行かなくても商品を購入することができる、自宅まで運んでもらえる、取り扱っている商品の数が多い、店頭販売価格よりも安い商品が多い……などたくさんのメリットがあります。依存するのは危険ですが、上手く利用すれば、忙しい現代人のニーズに合った便利なツールと言えるでしょう」(岸さん)

「ネットショッピングを賢く安心して楽しむためには、自分なりのルールを決めることが大事。たとえば私の場合は、本とCDだけはネットで購入していいと決めています。みなさんも、先ほどご紹介したような克服法を元に、ぜひマイルールを設定してみてください」(岸さん)

<まとめ> 「ポチっと病」にならないように、上手な付き合い方を見つけよう

「ネットショッピングは、上手く活用すると買い物にかかる時間とお金を節約出来るため、私達の暮らしを便利にしてくれます。しかし、後々とんでもない請求が来て困った! なんてことにならないよう、上手な付き合い方を見つけることが大切。今一度、利用方法や頻度を見直してみてはいかがでしょうか?」(岸さん)

「ポチっと病」を克服するために有効な、ー『税金や年金関連の知識を身につける』『自分のマネープランを考える』ためには、ファイナンシャルプランナー(FP)の資格を勉強するのもおすすめ。身近なお金の知識を広く得ることができるので、「ポチっと病」の克服のみならず、「保険料の見直し」「ローンの組み方」「資産運用の仕方」などなど、これからの人生設計に役立てることができますよ。

「お金持ち」になれるのはどっち!?カリスマFPによる簡易診断!

お金持ちになれるのはどっち? カリスマFP花輪陽子さんがあなたの日常生活をジャッジ!

岸さんに聞く、ネットショッピングでの「ポチっと病」克服法はいかがでしたか?このように日常生活を見直すことは、大事なお金を守るうえで大切なことです。ここでは、マイナス200万円の借金生活から、あっという間に1500万円もの資産を築き上げたカリスマFPの花輪陽子さんが、あなたの日常生活が「お金持ち」になれるものなのかどうか、簡単な診断と合わせて解説します。花輪さんの質問に答えるだけで、「お金持ち」になる方法がわかっちゃうかも!?

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プロフィール

岸博幸さん

元経済産業省官僚。小泉内閣の竹中平蔵経済財政政策担当大臣のもと、補佐官、政策担当秘書官を歴任。経産省退官後、慶應大学で教鞭を執り、現在は慶應大学大学院メディアデザイン研究科教授。エイベックス・マーケティング取締役を務める。日本テレビ「有吉反省会」、テレビ朝日「グッド!モーニング」などの多数のテレビ番組に出演する一方、ビジネス情報サイト「ダイヤモンド・オンライン」でのコラム連載、『アマゾン、アップルが日本を蝕む』(PHP出版)、『ネット帝国主義と日本の敗北』(幻冬舎)など、著書も多数。

■twitter:@hiroyukikishi

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