親による、わが子への毎日の絵本の読み聞かせは、幸せな家族風景ですね。子供にせがまれるから、あるいは寝付いてもらうために、時にはしぶしぶ絵本を読む人も多いと思いますが、実は絵本の読み聞かせには子供の成長に必要なさまざまな要素があるのです。
最近では、子供3人を日本のトップ大学の医学部に入学させたお母さんのインタビューがありましたが、小さなころから毎日何冊も本の読み聞かせを行ってきたということです。このように、絵本の読み聞かせによって子供の能力がグンと伸びるのには理由があります
絵本の物語の多くは、ハッピーエンドです。また、描かれるテーマとしては「主人公が冒険中にさまざまな困難に見舞われるものの、仲間に助けられて危機を乗り越える」「はじめは落ちこぼれていた主人公が、自らの知恵や勇気で人を助ける」といった、諦めない心や助け合いの大切さが学べる内容が多いです。子供たちはこういった主人公の姿に自らを重ねて、物語の中で達成感や成功体験を味わいます。
人生では苦労や困難はつきものです。挫折や絶望を味わうこともあるでしょう。そんな中でも強くたくましく生きるための、考え方の柔軟性、発想の転換、くじけない強い心が、こういった読み聞かせにより育まれます。これはつまり、自己肯定感とも呼べるものなのです。
自己肯定感が高い子供は、地域の活動を楽しいと感じ、学校生活でのストレスも少なく、親や兄弟姉妹関係での悩みも少ないと言われています。自分や周囲の人間を素直に、ありのままに受け入れられることが、その理由と考えられます。
教育に熱心な親御さんならば、お子さんの学力は気になるものです。学力は親からの遺伝や先天的なものだと諦めてはいけません。実は、幼少時にどれだけ親が絵本を読み聞かせたかが、子供の学力に大きな影響を与えるのです。
毎日10分以上読書をする子供は、読解力が高くなる傾向にあるといわれています。
「読解力」というのは、すべての学力の基礎となるもの。いくら数学の知識や能力があっても、問題の文章を読み解く力がなければ、正しい答えを導くことはできません。
読解力をつけるのに欠かせない読書の習慣は、幼少期の絵本の読み聞かせが基盤となります。
うちの子はまだ1歳にもならないから読み聞かせには早すぎる、と思うかもしれませんが、そんなことはありません。読み聞かせによって多くの言葉をシャワーのように浴びた子供は、言語発達が早くなるといわれています。そういう意味ではおなかの中に子供がいるときから、できるだけ多くの言葉をかけたり、本を読み聞かせたりすることが有効なのです。
子供のころから、繰り返し読み聞かせをする事で、自然と本を読む習慣がついていき、小学生を迎えるころには自分自身で図書館へ行くようにもなるでしょう。
絵本の読み聞かせによって、言葉はもちろん、世の中のしくみを学ぶ効果も期待できます。子供ながらに、絵本の中に描かれる社会の常識や、世界の文化などを知り、世の中の仕組みを理解し、社会性を発達させていきます。
その結果、「周りと協調して行動する」「自分の欲求を抑える事ができる」「困っている人を助ける」など、良好な人間関係作りが出来る子供に育っていくのです。
このように、良いことずくめの絵本の読み聞かせは、できるだけ毎日、コンスタントに行うのがおススメです。図書館で借りてくれば絵本を買うお金もかかりません。ぜひ今日から、読み聞かせ習慣を始めてみませんか?
絵本以外の本も読んでああげたくなったら、図鑑もおススメ。今の図鑑は、ただ物事を調べるだけでなく、楽しむための工夫がいっぱい! お子さんの興味に合った図鑑を探してあげてくださいね。ここでは、お子さんのタイプ別に、知的好奇心をくすぐるオモシロ図鑑5選をご紹介。
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