2016.02.15

特別インタビュー「『草食系男子』ブームの立役者に訊く! イマドキカップルの新生活の始め方」

特別インタビュー「『草食系男子』ブームの立役者に訊く! イマドキカップルの新生活の始め方」

「草食系男子」の次は「コスパ婚」? 昨今の若者の動向を緻密なデータとリサーチから分析し、数々の流行語を世に送り出すマーケティングライター・牛窪恵さんに、最新の恋愛事情にマッチした『イマドキカップルの新生活の始め方』についてご指南をいただきました。

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「親ラブ」が若い女性の恋愛欲求を減退させる?

「親ラブ」が若い女性の恋愛欲求を減退させる?

──牛窪さんは、昨今の若者たちの「恋愛スルー」な傾向をご指摘されていますが?

今の20代男女が恋愛をしない、したがらないのはデータ上でも明らかになっています。

ある調査(2014年:リクルートマーケティングパートナーズ)によると、現在、交際相手がいない20代は、なんと女性で60%、男性では76%! では、30年前はどうだったのか? 国の第三者機関の経年調査によれば、対象年齢は多少違ってきますが、バブル予兆期〜最盛期の82年、87年に「交際相手がいない」と答えた男女(18〜34歳未婚)は、女性が35%、男性は43%。裏を返せば、6〜7割の男女に彼氏・彼女がいたわけで、現在とは格段の差だと言えるんです。

それどころか最近は、下記のグラフからもおわかりのとおり、「過去に一度も交際経験のない20代」が、女性で約23%、男性は約41%にも及んでいます。

異性との交際経験(20代の未婚者)

出典:明治安田生活福祉研究所「第8回 結婚・出産に関する調査」2014年

そして、取材・研究を進めていくうちに、若者が「恋愛が面倒くさい」と考えるようになった転換点は90年代半ば~00年代にあったことが判明しました。私はこれを「恋愛(ラブ)レボリューション」と位置づけています。

──なぜ「恋愛(ラブ)レボリューション」が起きてしまったのでしょう?

おそらく「バブル崩壊と長引く不況」によって、男性が経済的不安などから恋愛や結婚に夢を持てなくなったことが最大の要因でしょう。
また、「超情報化社会」が恋愛を趣味化・バーチャル化し、膨大な情報開示によって、チラリズム的なときめきが消失してしまったり、と他にもさまざまな要因が挙げられます。
でも私は、とくに女性間において「親ラブ族が激増し、恋愛意欲が封じ込められている」のが案外深刻なのでは、と見ています。

──「親ラブ族」とは?

おそらく「バブル崩壊と長引く不況」によって、男性が経済的不安などから恋愛や結婚に夢を持てなくなったことが最大の要因でしょう。
読んで字のごとく「親子仲がとても良い家族」のことです。
ママやパパと娘が一緒に外出するときも『デート感覚』。そりゃそうでしょう。親ならお金もクルマも出してくれるし、近年は親の感性も世代的に若返ってきて物わかりもいいし、母娘で共に「カワイイ〜!」なんて盛り上がることだってできますから。同世代の頼りない男性といるよりずっと楽しい(笑)。
ただ、こういった関係がエスカレートしていくと、「運命の出会いがもたらす大恋愛を見つけに行くより、今ここにあるプチハッピーを守ることが大事」になってしまい、結果として親離れ・子離れができなくなってしまうんです。

──つまり、「彼氏よりもママがいい」なんて言っているうちに、適齢期も逃しかねない……と?

そういうことです。しかし、身近な幸せを守りたいというこの親ラブな性格は、見方を変えれば『慎重』とも捉えられるわけで、それが悪いとは思いません。「やっちゃえばなんとかなるよ」でどうにかなった私たちバブル世代より、いろいろ計画を立てないと損をする時代に、彼ら彼女らが生きているのはたしかですから。

コスパの面でもお得な「お試し婚」肯定派は80%以上!

──『慎重』すぎるがゆえ、恋愛や結婚になかなか踏み切れない現状を打破するには?

先行きの見えない不況のせいで、若い女性の『結婚』への願望は、むしろ高まってきています。
彼女たちは、恋愛で失敗するのが怖いだけ。だったら、いっそのこと『大恋愛』は『結婚(同棲)』のあとにすればいいんです。

──え! いったいどういうことですか?

もし、あなたに「なんとなくいいな」という『ウィル彼(友達以上彼氏未満)』がいるなら、4月からの新生活を境目に、思い切って同居してみてはいかがでしょう? 平たく言ってしまえば「同棲(婚)」「事実婚」のことなのですが、私はこれらのネガティブな響きを払拭するため「お試し婚」と呼んでおり、近年20代男女の間でも人気の兆しです。

お試し婚についてどう思う?(独身男女各200名)

出典:ディスカヴァー・トゥエンティワン/インフィニティ
「20代男女の恋愛と結婚に関するアンケート」2015年

テレビ番組『テラスハウス』が多くの支持を得ている背景からも、「お試し婚」は時代にマッチした恋愛と結婚のスタイルです。
80%を越える『肯定派』が挙げる、主なメリットは以下の3つ

(1)結婚ほど身構えず、お試し感覚で異性と静かに愛を育める
(2)ルームシェア感覚で家賃や生活費を抑えられる
(3)同棲生活を通じて相手に「情」が生まれたり、自分に自信が持てる

なかでも、今の不景気で一番ネックになっている『経済面』に優しい(2)は特筆すべきで、コストパフォーマンスで有意なことから、私は別名「コスパ婚」とも呼んでいます。

綿密さとユルさを兼ね備えた将来設計を

綿密さとユルさを兼ね備えた将来設計を

──では、まだ恋人や『ウィル彼』がいない女性も含む若い世代の読者皆さんが、4月から新生活を迎えるにあたってのアドバイスをお願いします。

今の時代、綿密な将来設計をイメージしながら、「自分がどう在りたいかの具体像を明確にすること」はとても重要です。結婚→出産、さらには出産後の仕事継続や職場復帰までも視野に入れた計画を立てるべき。
とは言っても、『計画』はあくまで『予測』であって、すべてが必ず叶うものではありません。常に『柔軟さ』を忘れずに。もし、あなたが立てた計画のなかで、なにかを学ぶことが7つ必要なのだとすれば、最悪「その4つは切り捨てて3つに絞る」くらいのユルさも兼ね備えてみてはいかがでしょう?

──仮に、牛窪さんが今20代だとして、『学び』を3つに絞るとすれば?

「料理」「家でできる仕事」、それに「整理収納術」かな(笑)?
「料理ができる女性」は男性に根強い人気がありますし、「家でできる仕事のスキルアップ」は出産後の仕事選びにも大きなアドバンテージとなりますしね。

──「整理収納術」は意外です(笑)!

「整理収納」は、テトリスのように「空いた空間に納めていく」という意味で、スケジュール管理能力に直結するんですよ。そして、この能力は会社で働いているときだけじゃなく、家庭内でも充分に活かされます。いわば「家事力」を鍛えるための訓練みたいなもの。同時にその能力は、あなたのママなら当たり前に持っている「段取り力」でもあるんです。

インタビュー後記

最後に、牛窪さんはこうも付け加えます。
「恋愛って、本来は意外と楽しいものだよ」
失敗やトラブルを恐れるあまり、『より深い関係になること』はもちろん、『出会い』すら拒絶してはいませんか? もっと自分の魅力に自信を持って! たとえ失敗しても、たいがいのことは両親や友だちがフォローしてくれるから──そういったポジティブなメッセージが最後の言葉には込められているのです。

プロフィール


牛窪 恵(うしくぼ めぐみ)さん/48歳
マーケティングライター・世代&トレンド評論家・インフィニティ代表取締役

1968年東京都生まれ。日本大学芸術学部映画学科(脚本)卒業後、大手出版社に入社。その後、フリーライターとして独立し、国内外で行動経済(心理)学を学ぶ。2001年4月にマーケティングを中心に行うインフィニティを設立。トレンドやマーケティング関連の著書が多数あり、「おひとりさま(マーケット)」(2005年)、「草食系(男子)」(2009年)は、新語・流行語大賞に最終ノミネートされた。『所さん!大変ですよ』(NHK総合)、『ホンマでっか!?TV』(フジテレビ系列)ほか、あらゆるメディアでコメンテーターとしても活躍。最新著書『恋愛しない若者たち〜コンビニ化する性とコスパ化する結婚〜』が発売4か月で五刷に。

インフィニティ公式HP:http://www.hachinoji.com/
オフィシャルブログ『気分はバブリ〜♪』:http://ameblo.jp/megumi-ushikubo/

著書紹介


『恋愛しない若者たち〜コンビニ化する性とコスパ化する結婚〜』

(ディスカヴァー・トゥエンティワン)

現在の若者たちの「恋愛離れ」と「結婚への憧れ」とのギャップ、これからの結婚スタイルの多様化、などを緻密なデータと膨大な取材量で掘り下げ、わかりやすく解説!

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