体力に自信がない人や、胃腸が弱い人がなりやすい夏バテに比べて、秋バテは夏を乗り切った人でも陥りやすい秋の疲れのこと。ひそかに蓄積された夏の疲れが、秋の気候への変化で体に現れやすくなるのです。「なんとなくダルい」「食欲がない」「顔色がくすんでいる」というあなた。実はすでに秋バテの兆候が出ているかもしれません。
秋バテになる理由として、以下の原因が考えられます。
1.寒暖差
身体は常に、体温を一定に保とうとしてエネルギーを消費しています。そのため、秋らしく涼しい日、残暑の日……といったように暑さ寒さが繰り返されると、体温調節をする自律神経が乱れ、身体の負担が大きくなります。体から熱が奪われないように血管が収縮することで血液の流れも悪くなり、疲れが出やすくなる原因に。
2.低気圧
天候や気圧の変化が激しい秋。低気圧になると空気中の酸素濃度が低くなり、大気中にプラスイオンが発生します。すると、自律神経が不安定になり、イライラしたり、頭痛やめまい、だるさなどの体調不良を訴える人も多くなります。
3.ハウスダスト
気温と湿度が上がる6月〜8月はダニの数が最も多くなる一方、気温が下がる9月〜10月は、死骸とともにハウスダストが増加。鼻などの粘膜が敏感になりアレルギーを発症しやすく、不調を招きます。
4.胃腸の疲れ
暑い夏はアイスクリームやかき氷、ビールなど、冷たいものを摂りすぎて血流が低下し、胃の働きが弱まっています。また、内臓が冷えると胃液が過剰分泌して胸焼けや胃もたれを起こしたりもします。こうして知らず知らずのうちに蓄積されたダメージは、何とか盛夏を乗り切った人でも、涼しくなった頃に身体の冷えとともに現れがちに。
夏の疲れや秋特有の変化に負けない身体づくりには、毎日の食生活や生活習慣の改善が欠かせません。健康的に秋を過ごすためにも、今のうちから秋バテの予防をしましょう♪
<予防&改善ポイント>
・身体を冷やさない
夜はシャワーで済ませず38〜40度の温めの湯船に浸かり、リラックスしながら身体を温めましょう。せっかく温まった内臓を冷やさないように、お風呂上りにはできるだけ温かいドリンクを飲むようにしましょう。お酒を飲む場合も常温を心がけて。
・休日はしっかり休む
秋は、たくさん遊んだ夏の疲れが出やすい季節です。なるべく激しい遊びの予定を入れず、マッサージやスパ、エステでゆったりと疲れをとったり、20〜30分程度の軽いウォーキングなどを日常に取り入れて代謝を促しましょう。
・食べ物に気をつける
胃腸が疲れているときに、栄養価が高いとされる旬の食材をたっぷり摂ることは、効果的な秋バテ予防になります。
たとえばビタミンB群が豊富なネギ、かぶや紫蘇、根菜類、生姜などの食材は、身体を温める効果があるのでおすすめ。お肌の乾燥が気になる人は、豆乳、豆類、松の実、きくらげ、百合根など、胃にやさしく、かつ身体の内側から潤いをもたらす食材をチョイスしてみましょう。
食欲がないときに無理にスタミナ料理や刺激物を食べると、胃腸を荒らしてしまう危険性もあります。身体にやさしいスープなどで積極的に栄養を摂り、具はゆっくり噛んで負担を減らしましょう。
*疲れた胃腸に効く♪ 簡単おすすめレシピ*
『薬膳みぞれスープ』
(材料 2人分)
長ネギ 1本
れんこん 1個
大根 1/4本
生姜 少々
クコの実 少々
鶏ガラスープの素 大さじ1
(作り方)
1.数センチに切った長ネギを、ごま油で焦げ目がつくくらい炒めます。食べやすい大きさに切って、アク抜きをしておいたれんこんも一緒に炒めます。
2.炒めている間に、大根と生姜をすりおろします。
3.お湯600ccに鶏ガラスープの素を入れてひと煮立ちさせ、長ネギとれんこん、クコの実を入れて出来上がり♪
『薬膳長芋炊き込みご飯』
(材料 2合分)
米 2合
長芋 10cmくらい
梅干し 2~3個
酒 大さじ2
塩 小さじ1
(作り方)
1.滋養強壮の食材とされる長芋の皮をむいて1cmの厚さに輪切りし、軽く水洗いしてぬめりをとっておきます。
2.米を研いでやや水を少なめにし、酒、塩、種を取ってちぎった梅干しを入れ、長芋、酒、塩と一緒に炊き込みます。
このような内臓を温め、血流を良くするレシピは、薬膳を学ぶことでも身につきます。
「食欲の秋」「スポーツの秋」「芸術の秋」といわれ、暑さが落ち着く秋は楽しいイベントも目白押し。けれど季節の変わり目は気温の変化が起こりやすい時期でもあります。心地よい気候になったからといって気を抜かず、健康的な生活を心がけて秋バテしない身体を作っていきましょう!