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2017.06.22

何でダメなの?写真やイラストなど、画像の無断転載がNGな理由

何でダメなの?写真やイラストなど、画像の無断転載がNGな理由

個人ブログを書いている方の中には、他人のホームページに掲載されている画像を勝手に自分のブログに載せてしまう方も少なくありません。他人の写真やイラストの無断転載は、なぜいけないのでしょうか?今回は写真やイラストなど、画像の無断転載がNGな理由についてご紹介します。

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【理由1】写真やイラストにも「著作権」があるから

著作者は、自分が創作した著作物を他人に無断で使用されない権利「著作権」を持っています。著作権は文章だけでなく、写真やイラストなどの画像にも存在します。

他人が創作・撮影した画像をインターネット上に勝手にアップすることは、著作物を無断で複製されない「複製権(著作権法第21条)」と、インターネットなどによって著作物を無断で公衆(不特定もしくは多数の人)に送信されない「公衆送信権(第23条)」を侵害する行為です。
使用したい写真を改めて撮影したり、イラストを模写したりすることも著作権上の複製に当たるため、気を付けてください。

ただし、条件を満たせば正当な範囲内で画像を「引用(第32条)」することができます。なお、インターネット上へのアップや商業利用を目的としていない、個人的に楽しむための印刷やコピーは、「私的使用のための複製(第30条)」として認められています。

【理由2】人物写真には「肖像権」があるから

【理由2】人物写真には「肖像権」があるから

写真に人物が写っている場合、撮影者の著作権と併せて、被写体である人物の「肖像権」にも気を付けなければなりません。
肖像権とは、無断で写真を撮影されたり、写真を公表・使用されたりしない権利です。法律によって明文化された権利ではありませんが、判例によって認められています。写真に個人を特定できるような形で人物が写っている場合は注意しましょう。

画像素材サイトの人物写真でも、肖像権の問題がクリアされている写真とそうでない写真があります。肖像権が心配な方は、「モデルリリース(肖像権使用同意書)」を取得しているかどうかを確認することをおすすめします。

【理由3】有名人が写っている写真には「パブリシティ権」があるから

メディアに露出するだけで経済的効果を生み出す有名人には、「パブリシティ権」と呼ばれる権利が認められています。パブリシティ権とは肖像権のひとつで、商品の販売などを促進する顧客吸引力を無断利用されない権利のことです。

例えば、自分のブログへ勝手に有名人の写真を掲載する行為は、パブリシティ権の侵害に当たります。街で出会った芸能人やスポーツ選手が写真撮影を承諾してくれたときでも、撮影した写真をブログで使用する場合は、「ブログに写真を掲載しても大丈夫ですか?」ときちんと確認しましょう。

二次創作されたイラストの取り扱いはどうなるの?

二次創作されたイラストの取り扱いはどうなるの?

先ほど説明したように、原則として著作者以外の複製は認められません。それでは、原作をベースにした二次創作物の使用は認められるのでしょうか。

海外の小説を日本語に翻訳したり、コミックを映画化したりするなど、原作の著作物をもとに創られた著作物を「二次的著作物」と呼びます。二次的著作物は原作の著作物とは別の著作物として区別されます。
二次的著作物の著作者は、無断で二次的著作物を利用されない「二次的著作物の利用権(第28条)」を持っており、第三者が許可なく二次的著作物を利用することはできません。

しかも、二次的著作物の場合は「原作の著作権」と「その二次的著作物自体の著作権」の2つが発生するため、原作の著作者も著作権を持つことになります。そのため、二次的著作物の著作者だけではなく、原作の著作者の許可も必要です。

他人の著作物の使用は、原則として許可が必要

写真やイラストなどの画像の無断転載がNGな理由をご紹介しました。他人の著作物を使用する際は、原則として著作者から許可を得る必要があります。また、人物写真には肖像権があるため、特に注意が必要です。
最近は人気のあるアニメ、マンガ、ゲームなどのコンテンツをもとにした二次創作が盛んですが、二次創作を歓迎する作者がいる一方で、自分のコンテンツを勝手に使われることを快く思わない作者もいます。著作権を始めとする知的財産権について学び、ルールを守ってコンテンツを利用しましょう。

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