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2017.01.11

朱色や千歳緑、銀鼠色など、冬景色や正月飾りを感じる日本の冬の伝統色4選

日本では、古くから色彩における多くの工夫が凝らされてきました。平安時代から、服飾には四季に応じた配色が施されるようになり、その配色法は現在も伝えられています。
そこで今回は、冬景色や正月飾りを感じる日本の冬の伝統色を4つご紹介します。

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【日本の冬の伝統色1】朱色

神社や寺院でも見かけることの多い鮮やかな「朱色」は、冬景色に咲きほころぶ寒椿を連想させます。魔除けや厄除けといった呪術的な背景をきっかけに、日の丸を筆頭に神社の鳥居や漆の器、お飾りなど伝統色としてさまざまな場所で幅広く取り入れられています。

祝賀ムードにあふれる正月を彩るのにもふさわしく、しめ飾りや門松、餅花などの正月飾りに使用されることの多い色です。

また朱色は、伝統色でありながらも、話題性の高いトレンドのファッションで利用されることの多い色でもあります。スカートやカーディガンに取り入れると、華やかでありながら温かみのあるコーディネートになることから、特に冬の時期に重宝される色です。

【日本の冬の伝統色2】千歳緑(せんざいみどり、ちとせみどり)

伝統色では松葉を連想させるような濃く暗い緑を「千歳緑(せんざいみどり、ちとせみどり)」といいます。松は春夏秋冬で常に変わらぬ深い緑をたたえた葉を付けていることから、不変と長命の象徴とされており、それにならって千歳緑も縁起の良い色として知られています。

千歳緑の名は「千年経っても色褪せない緑」が由来となっています。傘や扇子、Tシャツや浴衣、靴にも用いられており、季節に縛られずさまざまな場面で用いられています。

【日本の冬の伝統色3】銀鼠(ぎんねず)

わずかに青みを含んだ明るい銀色を思わせる灰色を、伝統色では「銀鼠(ぎんねず)」といいます。

銀鼠が生まれたきっかけとされているのは、江戸時代の「奢侈禁止令(しゃしきんしれい)」と呼ばれる贅沢を禁ずる法令です。この法令により、華やかな色彩を持つ着物が禁止されました。こうした背景を受けてニーズが高まったのが、元々は地味な色とされていた茶系や鼠系の色です。染料に改良が施され、わずかな色の違いで着こなしを楽しむ風潮となる中で、数多くの茶系・鼠系の色が誕生しました。銀鼠もこうして生まれた1色です。

江戸時代に発行された染色の解説書である『手鑑模様節用(てかがみもようせつよう)』には、「錫いろ 又 当世ぎん鼡(鼠の俗字)といふ」と記されています。銀鼠の他に「錫色(すずいろ)」とも呼ばれていたことが伺えます。

現在も銀鼠の生地に和柄をあしらった着物が流通しており、気品の高さを秘めた魅力が人気を呼んでいます。

【日本の冬の伝統色4】藁色(わらいろ)

伝統色では稲藁のような薄いくすんだ黄色のことを「藁色(わらいろ)」といいます。冬に使われる伝統色の中でも明るさに秀でており、淡い黄色みを帯びているので、柔らかく親しみやすい印象を感じる色です。

藁色は着物を始めとして手ぬぐいやストール、帽子、サンダルなどファッションにおいても数多く利用されています。自然界に存在する稲藁に近い色なので、自然の持つ色との相性が良く、朱色や千歳緑などと合わせることで、さらに色味を引き立てることができます。どの色と組み合わせても遜色のない伝統色として、藁色は幅広く活用されています。

襲(かさね)の色目、冬の襲とは

日本に昔から受け継がれてきた配色法として、「襲(かさね)の色目」があります。これは、平安時代の貴族が着物の色合わせを楽しんだことで生まれた配色パターンであり、それぞれの色の組み合わせには名前がつけられています。数々の工夫を重ねて四季に応じた色・紋様を厳選した配色技術が、襲の色目として今日に至るまで着物や和物に応用されているのです。

冬の襲のパターンは「氷(白+白)」や「氷重(白+鳥の子色)」といった冬景色をモチーフとしたものがあります。その他にも「枯野(黄+淡青)」や「枯色(淡香+中青)」といった植物や温かみを感じる配色パターンもあります。
冬の冷たさだけでなく、そこに存在する植物などの生命を反映させた伝統色が用いられていることが特徴です。

冬の伝統色を活かしておしゃれを楽しもう

日本の冬の伝統色には、寒さを感じる色だけでなく、生命力を秘めた緑や、花のような鮮やかさを誇る朱色など、インパクトの強い色も数多くそろっています。
普段のコーディネートに物足りなさを感じたら、日本の冬の伝統色を取り入れて、おしゃれをさらに楽しみましょう。

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