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2016.04.01

2016年本屋大賞ノミネート作品発表! 書店員推薦コメントも要チェック!

「本屋大賞」とは、現役書店員さんが「いちばん! 売りたい本」を選ぶ賞。2016年にノミネートされた10作品を、書店員さんの推薦コメントとともにご紹介します!

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2016年本屋大賞ノミネート10作品を一挙ご紹介!

■『教団X』中村文則(集英社)

『アメトーーク!』(テレビ朝日系)の「読書芸人」で又吉直樹さんに絶賛され、一時入手困難にまでなった話題作。作者の中村文則さんは、2010年に出版された『掏摸<スリ>』でも、ウォール・ストリート・ジャーナルのベスト10小説に選ばれ、世界的に注目を集めている純文学作家です。
本作は、カルト的な新興宗教の内情や、教祖の教えに陶酔する信者たちの心理をリアルに描いています。

(あらすじ)
殺人事件を起こし潜伏している謎のカルト集団「教団X」を舞台に、4人の男女の運命が絡まり合ってゆく。さまざまな事件が起こる中、この国を揺るがすテロリズムへとつながって……。神とは、人間とは、悪とは、といった、普遍的で壮大なテーマに挑んだ純文学小説。

<書店員コメント>
なんて凄い本だろう! ここには人間の営みのすべてが詰まっている。そして、我々が勝手に神秘性を与えた、愛だとか神だとか社会だとかの上っ面を無慈悲にも剥ぎ取り、それらの下に潜むものを見せてくれる。そうそう、読書の悦楽ってこういうこと! 「読むドラッグ」と呼ばれる本は他にもあるが、これは正真正銘、脳みそをガンガン揺さぶる劇薬だ。(愛知県 40歳 男性)


■『朝が来る』辻村深月(文藝春秋)

辻村深月さんは、デビュー作『冷たい校舎の時は止まる』でメフィスト賞、『ツナグ』で吉川英治文学新人賞、『鍵のない夢を見る』で直木賞を受賞するなど、実力派の女性作家。
子どものころから推理小説やホラー小説が大好きだったことから、自分でも小説を書き始めたそう。幼いころから大好きだったことが、一生の仕事につながるなんてステキですよね。
本作は、『子どもを育てる女性』『子どもを手放す女性』など、さまざまな生き方の女性たちが登場します。

(あらすじ)
長くつらい不妊治療を経て特別養子縁組を決めた夫婦。迎え入れた男の子とともに穏やかに暮らしている彼らの前に、突然生みの母親が現れた。さらに夫婦の元に刑事も訪ねてきて……。それぞれの女性の葛藤を描く長編作品。

<書店員コメント>
これはもう全人類が読めばいいと思った。自分が今ここで生きていること、自分を産んでくれてここまで育ててくれた母親の偉大さに改めて気づいた。そしてこのタイトルの意味を知った時の、鳥肌が全身を駆け巡る感覚が未だに残っている。きっと大丈夫。朝が来る……と思わせる終わり方にスタンディングオーベーションです。(東京都 26歳 女性)


■『流』東山彰良(講談社)

東山彰良さんは、本作で第153回直木賞を受賞! その際、選考委員たちから「20年に一度の傑作」(北方謙三氏)、「これほど幸せな読書は何年ぶりだ?」(伊集院静氏)など、大絶賛を浴びています。台湾生まれである作者は、主人公に自身を投影しているところもあるのではないでしょうか。

(あらすじ)
1975年の台湾で殺された祖父の足跡と、その犯人を探す旅に出る17歳の主人公。当時の台湾における、偉大な総統の暗殺に絡む祖父の死の謎や、世相や文化、友情や恋物語などを取り込みながら物語は進む。推理小説という枠に収まりきらない、壮大な青春群像小説。

<書店員コメント>
読後の、すごいものに出会ってしまったなぁという感覚、何ヶ月経っても忘れられない。台湾の歴史を何も知らずに読んだが、複雑な政治的歴史的背景を祖父の死因の根幹としながらも、青春まっただ中の男の子のほとばしるエネルギー、恋や友情や喧嘩や兵役、どぎつくも温かい家族たち、台湾の空気、それらをユーモラスに描いていて、思わず吹き出したり、胸がじんと熱くなったり、切なくなったり。物語に入り込んで主人公と一体になるという小説の醍醐味を思う存分堪能した!(高知県 34歳 女性)


■『王とサーカス』米澤穂信(東京創元社)

米澤穂信さんは、謎解きの要素だけでなく、青春小説としての面白さがある作風で人気のミステリー作家。今作は事実を元にした小説で、ネパールの歴史や地名が散りばめられています。

(あらすじ)
ジャーナリストの太刀洗万智は、雑誌の海外旅行特集の取材をするためネパールへ向かった。その矢先、王宮で王族殺人事件が勃発してしまう。真実を追おうとする万智の前に、ひとつの死体が転がり……。2001年に実際に起きた事件を元にした壮大なフィクションミステリー。

<書店員コメント>
毎回、半歩先、そのまた半歩先の真実を精緻に組み立てる米澤さんらしく、グローバルな舞台にあっても小さな国際関係のひずみをきちんと表現しています。米澤さんの視点と知識の深さにミステリー以上の何かに胸がざわつき、脱帽感に体が覆われます。(東京都 37歳 男性)


■『戦場のコックたち』深緑野分(東京創元社)

深緑野分さん初の長編ミステリーとなる本作は、本屋大賞のほか、直木賞と藪春彦賞の候補にも挙がった注目作。作者が海外文学好きということもあり、海外の雰囲気をまとった作風です。頭の中に日常では味わえない世界が広がるという、読書の楽しさが味わえるはず!

(あらすじ)
合衆国軍に所属する19歳のコック兵ティムが、仲間たちと戦場で出会う謎を解いてゆく。未回収のパラシュートを個人的に集めて回る兵士の目的は? 一晩で消えた600箱もの粉末卵の行方は? 彼らが過酷な戦いの合間に挑むのはいつもささやかな謎……。個性豊かなキャラクターが登場する連作形式の長編ミステリー。

<書店員コメント>
一読「翻訳もの?」と勘違いしたほど、見事に作り込まれた作品。作者が本当に翻訳小説や洋画が好きで、愛して、浴びまくっているからこそ出せるリズムと空気だと思います。『日常の謎』系ね、と呑気に寝転がって読み始めて、後半で姿勢を正しました。二作目でコレとは、末恐ろしい……。(東京都 31歳 女性)


■『永い言い訳』西川美和(文藝春秋)

西川美和さんは映画監督・脚本家としても活躍しており、本作も自身の手で映画化されます。出演は本木雅弘さん、深津絵里さんらで、2016年秋公開予定。映画と小説それぞれを作る理由は、「映画で描ける世界は氷山の一角なので、その下に隠されたものを小説で描きたい」からだそう。
映画監督と作家という二つの顔を持つ人だからこそ分かる感覚ですよね。

(あらすじ)
長年連れ添った妻を、突然のバス事故で失った人気作家。だが、その悲しさを演じることしかできずにいた。そんな主人公が同じ事故で母親を失った一家と出会い、初めて妻と向き合い始める……。突然家族を失った者たちがどのように人生を取り戻すのかを描いた、感動の物語。

<書店員コメント>
「生の向こうの死」「死の向こうの生」をこんなにも豊かに、鮮やかに書くことができるのかと驚愕しました。(東京都 40歳 女性)


■『世界の果てのこどもたち』中脇初枝(講談社)

中脇初枝さんの『きみはいい子』は2013年本屋大賞第4位を受賞し、2015年に映画化されたので、知っている人も多いのでは? 今作は作者の体験を元に、20年以上も温めてきた作品だといいます。執筆のため、中国と韓国に渡り数十人の方々へインタビューも行ったそう。

(あらすじ)
戦時中の満州を舞台に、3人の少女の友情を描く。高知県から親に連れられて満州へやってきた珠子は終戦とともに戦争孤児に。在日として差別を受ける朝鮮人の美子(ミジャ)。恵まれた家庭で育ったが空襲で家族を失った茉莉。別々の人生を歩むことになる3人だが、そこには国境を越えた友情があった……。

<書店員コメント>
是非学校指定図書にして欲しい。たった数十年前に起きた戦争での子どもたちの「現実」。どれほど理不尽で過酷なものだったのか、知っているつもりでわかっていなかったと痛感しました。ラストは「感動」の2文字では表せない思いがこみ上げてきます。(香川県 30歳 女性)


■『火花』又吉直樹(文藝春秋)

お笑いコンビ「ピース」の又吉直樹さんはこの作品で芥川賞も受賞し、大きな話題となりました。2015年の累計発行部数は240万部の大ヒット! 芸人として忙しく活動する中、自宅とは別にアパートを借りて制作環境を整え、上手に隙間時間を使って執筆を進めていたそうです。
本作には、現役芸人だからこそ描けるリアルな描写がたくさんあります。売れてなくても、そこに込める魂は変わらないという芸人の世界を垣間みることができる作品です。

(あらすじ)
売れない漫才師の徳永は、奇抜な発想を持ち人間味があふれる先輩芸人神谷と出会い、師匠として慕い始める。お互いに先輩・後輩付き合いに不慣れながらも、お笑いの哲学などを語りながら距離を縮めていく二人。そのうち、後輩の徳永は少しずつ売れていくが……。お笑いの世界の厳しさや、芸人を支える女性たちをリアルに描く。

<書店員コメント>
「切磋琢磨」という言葉が陳腐に思えるほどの、心と心のぶつかり合い。それが目に見えない「火花」なのだろうか。大阪人だからこそわかる「間」もあって心地よい。(大阪府 34歳 男性)


■『君の膵臓をたべたい』住野よる(双葉社)

住野よるさんは、これがデビュー作の新人。兼業作家として仕事をしながら書き進めたそうですが、あの「セカチュー」を超えるベストセラーになるかもしれないと言われるほど注目を集めています。インパクトのあるタイトルを付けたのは、まずは読者の目に止まらなければ、と思ったからだそう。

(あらすじ)
高校生の主人公が病院で拾った本は、クラスメイトがつづった秘密の日記帳だった。そこには彼女が膵臓の病気のせいで、余命いくばくもないことが書かれていて……。誰しもが経験した青春時代を描きながら、予想外の展開へ。感動の涙を誘う現代小説。

<書店員コメント>
小説で泣いたのは、何年ぶりだろう? 正直、若い人たち向けだろうとナメていましたが、いい意味で裏切られました。恋と友情の狭間にいる2人にしか、わからないモノ。名前が付けられない関係だからこそ、切なくて愛おしい宝物なんだと思います。青春小説の新しい名作、そして代表作。間違いなく、です。(埼玉県 44歳 女性)


■『羊と鋼の森』宮下奈都(文藝春秋)

本作は直木賞の候補にも挙げられ、『誰かが足りない』は2012年本屋大賞の第7位! 宮下奈都さんは、日常で起こる事象や心の揺れを丹念に描ける作家として、今注目されています。ピアノの音という、文章で表すことが難しいものも見事に描いており、表現力の高さがうかがえます。

(あらすじ)
高校時代に目にしたピアノの調律作業に感銘を受け、調律師を目指す主人公。言葉で伝えきれない素晴らしさを音で伝えたいという思いを胸に、憧れだった調律師と同じ楽器店に就職。先輩たちや顧客と触れ合いながら人として成長していく姿を、温かい文体でつづった長編小説。

<書店員コメント>
なんて美しい小説なんだろう。この世の中に美しい物はたくさんあるけれど、その中でも言葉や物語の美しさは特別だと思う。小説は視覚で捉えられないからこそより深い美しさを隠し持っている。この小説こそがその美しさをはっきりと鮮やかに示してくれている。(広島県 40歳 男性)

「書店員さんが本当に読んでもらいたい本」の頂点に輝くのは いったいどの作品……?

2016年本屋大賞の発表は4月12日。この10作品の中から「書店員さんが本当に読んでもらいたい本」の頂点に輝くのはいったいどの作品……? みなさんも作品をチェックして、大賞を予想してみてはいかがでしょうか。自分の興味関心や、職業、ライフスタイルに近い作品なら、面白さもきっと倍増するはず! 読書はただ面白いだけでなく、仕事のやる気につながったり、人生観を豊かにしてくれたりするもの。ぜひ自分にぴったりの一冊を探してみてくださいね♪

ブロガーから作家デビューも夢じゃない!?

今回、本屋大賞にノミネートされた住野よるさんは、小説投稿サイトに掲載した作品で注目され、小説家デビューされたそうです。 小説でなくても、最近では、普通の主婦やOLのブログが人気となり、本として出版されることが増えているんだとか! それほどまでに人気が出るブログの、工夫や特徴とは……?

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