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2015.03.31

発表直前! 2015年本屋大賞はどの作品に!?

発表直前! 2015年本屋大賞はどの作品に!?

今年も「本屋大賞」の季節が近づいてきました。現役書店員が「いちばん! 売りたい本」を選ぶこの賞は、ベストセラー作家も多数輩出している注目度の高い賞。そこで今回は、2015年本屋大賞にまつわる"トリビア"を探りながら、ノミネート作品をご紹介!

  • ブレイク

<トリビア1>
ノミネート作品の登場人物は、リアリティのある職業に就いている人が多い

<トリビア1><br>ノミネート作品の登場人物は、リアリティのある職業に就いている人が多い

本屋大賞に選ばれる作品は、ファンタジーや推理小説などジャンルは様々ですが、登場人物は意外にも、現代社会に実在する職業に就いていることが多いのです。今回ノミネートされた作品の登場人物が就いていた職業を並べてみると……

マーケットリサーチ(『アイネクライネナハトムジーク』伊坂幸太郎、幻冬舎)

図書館司書(『億男』川村元気、マガジンハウス)

陸上自衛隊(『土漠の花』月村了衛、幻冬舎)

制作プロデューサー(『ハケンアニメ!』辻村深月、マガジンハウス)

アニメーター(『ハケンアニメ!』辻村深月、マガジンハウス)

コピー機の営業(『キャプテンサンダーボルト』阿部和重・伊坂幸太郎、文藝春秋)

学生(『本屋さんのダイアナ』柚木麻子、新潮社)

弁護士(『満願』米澤穂信、新潮社)

などなど……

面白い作品のネタは、身近なところに転がっているものなのかもしれませんね。

<トリビア2>
あの作家がダブルノミネート!? 

今回「アイネクライネナハトムジーク」と「キャプテンサンダーボルト」でダブルノミネートを果たした伊坂幸太郎氏。それだけでも凄いのに、実は過去に2回もダブルノミネートされていました。いずれもベストセラーの話題作ばかりです!

第1回「アヒルと鴨のコインロッカー」と「重力ピエロ」

第3回「死神の精度」と「魔王」

<トリビア3>
児童文学のノーベル賞「国際アンデルセン賞」の受賞作家もノミネート!

ノミネート作品「鹿の王」の作者、上橋菜穂子氏は、2014年に「児童文学のノーベル賞」とも呼ばれている国際的権威のある「国際アンデルセン賞」作家賞を受賞しています。日本では1994年のまど・みちお氏以来、2人目の快挙。

世界に認められた作家でもあるのです。

また、偕成社から刊行されている「精霊の守り人」をはじめとする「守り人」シリーズは世界各国で翻訳され、幅広い層に読まれています。2016年からは、NHKで3年間にわたって実写ドラマ化されることも決まっており、いま注目の作家です。

2015年本屋大賞ノミネート10作品を一挙ご紹介

■アイネクライネナハトムジーク 伊坂幸太郎(幻冬舎)

<書店員コメント>
幾重にも張り巡らされた伏線が、段々とつながっていく快感! 思わず「そうきたかー」と、うなってしまいます。(千葉県50歳女性)

■怒り 吉田修一(中央公論新社)

<書店員コメント>
冒頭で起こる殺人事件。そして語られる3組の日常と、それぞれに現れる一人の新参者。3人のうち犯人は一体誰か、という物語全体からの俯瞰性と、身近な人が殺人者なのでは、という主観性の交錯が絶妙。細かな描写が全てを語るリアリティ。(神奈川県38歳女性)

■鹿の王 上橋菜穂子(KADOKAWA 角川書店)

<書店員コメント>
読んでいる間はすっかり物語の中に入っていました。ファンタジーですが、歴史小説のような医療小説のような一冊で、読み終わるのがもったいないと思った一冊。(広島県33歳女性)

■土漠の花 月村了衛(幻冬舎)

<書店員コメント>
屈強な自衛官達の緊迫した戦闘シーンが圧巻でした。けして超人ではない、人間らしい男達のドラマに胸が熱くなります。(神奈川県32歳女性)

■億男 川村元気(マガジンハウス)

<書店員コメント>
もし、宝くじが当たったら……。誰でも一度は考えたことのあるテーマの物語。お金があれば幸せになれるのか?何らかの答えが見つかるかもしれない。(大分県31歳女性)

■ハケンアニメ! 辻村深月(マガジンハウス)

<書店員コメント>
アニメにかける情熱と一流の仕事。その〝熱〞に心を揺さぶられ、仕事にかける思いとはこういうものかと感じさせられる一冊。(石川県41歳男性)

■キャプテンサンダーボルト 阿部和重・伊坂幸太郎(文藝春秋)

<書店員コメント>
凸凹コンビと相棒の犬。巻き込まれる犯罪。友情、最強の敵! 幼いころの思い出が現在のピンチを救う……って、ハリウッド映画なみのご都合主義なんのその(笑)。これぞエンタメの王道、突き抜けててカッコイイ!(神奈川県36歳女性)

■本屋さんのダイアナ 柚木麻子(新潮社)

<書店員コメント>
父は行方知れず、キャバクラのママの母に育てられた大穴(ダイアナ)という名の娘と正反対の環境の親友・彩子と、それぞれ試練を越えて大人になる二人の少女の物語。(広島県55歳男性)

■サラバ! 西加奈子(小学館)

<書店員コメント>
姉の奇行、母の奔放さ、父の勤勉さに巻き込まれながら。歩が常に悩まされてきたことに答えをなんとか見つけ出し、一歩踏み出すそのほがらかな気持ちが、精神が、なんとも神々しくてたまらない。(大阪府37歳女性)

■満願 米澤穂信(新潮社)

<書店員コメント>
人間のもっている弱く痛い部分を突かれるような、じわじわと締め付けられるような怖さが少しずつ迫ってきて、後味は不気味でゾクゾクして、でもそれが何とも魅惑的でそそられる。(愛知県26歳女性)

発表は4月7日!
「書店員さんが本当に読んでもらいたい本」の頂点に輝くのは……?

発表は4月7日!<br>「書店員さんが本当に読んでもらいたい本」の頂点に輝くのは……?

いかがでしたか? どの書店員さんのコメントからも、本に対する熱い想いが伝わってきますね。「この面白い本をもっと読んでもらいたい!」と、書店員さんが選んだ「本屋大賞」2015年版は、2015年4月7日(火)に発表されます。乞うご期待!

  
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